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【企画物語】一斉一律をやめた、島谷教育長が挑む加賀の教育改革

加賀市の島谷千春教育長にご登壇いただいた。
みんながファンになるような明るいお人柄と、学校を本気で変えるのだという強い信念に聞き惚れた75分間。

この企画がスタートしたきっかけと、講演会の熱量を届けることで、あなたが明日から一歩踏み出す勇気にしてもらいたい。

1.消滅可能性都市に「教育」で挑む加賀市

志ある教育長の挑戦を学校現場に広く発信し、全国の教育者を勇気づけたい。

鎌倉市の岩岡教育長や熊本市の遠藤教育長にご登壇いただいたことで、私は、志ある教育リーダーと現場の教師を繋げたいと思うようになった。
そんな時、加賀市が「一斉授業をやめた」という文章をネット記事で見つけ、興味をもった。

なぜ興味をもったのかというと、加賀市は教育の力をもってして消滅可能性都市に挑戦しているからであった。すごいと思った。茨の道だとも思った。私は青森県に7年住み、人口減少による街の衰退を目の当たりにしてきた。地元の老舗旅館をボランティアし、いかに地方でビジネスをするのが難しいかも思い知った。同時に、生まれ育った地元を何とかしたいと立ち上がる人の想いやパワーも知っている。

教育の力で地方の衰退を止める

政治家なら誰もが言いそうな綺麗事だが、それをやりきるには相当な覚悟が必要だ。
しかし、加賀市からは本気を感じた。市長の本気、教育長の本気。島谷教育長にご登壇いただいて、それは確信に変わった。

2.リーダーの「覚悟」は温泉郷看板を貼り変える

加賀市の教育VISIONは次に集約される。

BE THE PLAYER
自分で考え 動く 生み出す そして社会を動かす

島谷教育長はVISIONを生み出すだけでは終わらない。
教育目標をまとめた冊子を、市内全戸に配布した。すごい。ここまでやる教育長は聞いたことがない、配られたこともない。

さらに、温泉郷の看板にも教育目標が掲げられた。教育長は本気だと、全市民が思うだろう。言葉に行動が伴うと覚悟が伝わる。島谷教育長ならではの印象的なシーンだった。

ここまでやるのには理由があった。
それは、保護者・地域に応援してもらうこと。

持続可能な改革には保護者・地域の理解がいる。理解だけでなく、応援したもらうことが必要だと力強く話す島谷教育長は本気だった。
優れたリーダーが必ずそうであるように、島谷教育長の言葉と行動はあらゆる面で一致していた。だから、みんなが付いていくのだろう。

3.授業から学校を変える

島谷教育長は現場主義だ。

今回の講演会でも授業について語る場面が多くあった。現場に足を運び、現場と対話を繰り返している様子が伝わってきた。授業から学校は変わる、現場と一緒に変えていくのだという姿勢には、現場にいた者として胸に響くものがあった。

加賀市の教育改革は市内一斉。
一斉に、一斉授業をやめる。
指定校・研究校のような従来の仕組みはつくらないという話も印象的だった。

全員でやることで余計な分断を生まない。
「あぁ、あそこの学校だからやれるんでしょ?」とか、「私たちには関係ないから」と言わせない。
ジョン・デューイは人を動かす秘訣について「重要な人物だと思わせる」と言ったが、現場の全員にとって自分事になるように仕向けている賢さも感じた。

加賀市教育ビジョン

4.最後に

かつて、アルベルト・アインシュタインは「蒸気より、電気より、原子力よりも人を動かすことができるものがある。それは、人間の意志だ。」と言った。だうだろう。私たちは今夜、島谷教育長の意思を受けて、心に炎が燃えていないだろうか。

市を動かし、現場が慣れ親しんだものを変えるというのは並大抵のことじゃない。でも、できる。明確なビジョンと意思があれば、私たちに不可能はない。

失敗上等、まずはやってみよう。
この言葉は私たちに勇気をくれる。

BE THE PLAYER

タツロー

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