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極道の妻のようになれる女教師は学校の頂点に立つ

映画、極道の妻は面白い
ついつい見てしまう
ストーリー展開の早さもさることながら、
岩下志麻さんが男どもの気持ちを巧みに理解しながら、駆け引きしていく場面が最高だ
名言
「なんやて?」
という言葉から始まる若い衆に気合を入れるシーンは、物事の本質を見抜いて思考・判断していく女性のシンボル的な姿にも見える

私の友達に、すごい女性教師がいる
バスケットの東北大会には9回出場
県大会に顔を出さない年はない
運動会でリレーのアンカーになるような男子を何人も引き連れて、最強軍団を作ってしまうのである
ありあまるエネルギーをバスケットに向かわせて、強いチームを作ってしまうのである
中でも驚くのは、人間観察力である
試合で活躍する子、しない子、裏切る子、信じられる子、伸びる子、伸びない子を即座に見抜いてしまう
そして、試合に勝たせてしまうのである
勝たせてくれる監督を、子どもたちは信じるものだ
そのことが、学校生活でも表れてくるから面白い
学級崩壊の原因になったバスケ部のやんちゃ君がいた
聞くと、金銭関係、いじめ関係、担任の精神的な追い込み方など、なかなかの子である
ただ、この子は本当にバスケットが好きだった
この女教師はすでにバスケットの指導から一線を引いているが、過去の実績について、このやんちゃ君はすべて理解している
だから、崇拝しているのだ
さらに、やんちゃ君がこれまでしてきた多くの問題について、この女教師は知りつつも直接的には知らないふりをしている
そして、学級担任が本当に困ったときに手助けしているようだ
あえて、このやんちゃな子の得意なバスケットの活躍に目を向け、そこだけで評価をしている

そうしていると、こんなことになるらしい
「(廊下で友達を引き連れて歩くやんちゃ君が)おい!A先生だぞ!!挨拶しろ!!」
「(やんちゃ君の友達が)おはようございます」
「おはよう」
「声が小さいだろう」
「おはようございます!!」
みたいに、岩下志麻を崇拝する若手組員が挨拶するようになったらしい
そこで、最近頑張っていることを巧みにほめる
「学校生活も頑張っているらしいね。すごいじゃん!」
と、近づいて優しい声色を使いながら、ほめる。でも、最後は、
「でもいい?私とB先生(担任の先生)、C先生(生徒指導主任)を裏切るんじゃないよ?わかっているね?」
と、くぎを刺すそうだ。
これで、どんどん学校生活でも、持ち前の能力の高さで、活躍していく子になっていったらしい

やんちゃ君にはエネルギーがある
だからこそ、やんちゃができる
しかし、そのエネルギーの方向性が学校生活上マイナスのベクトルを向いている
教師がマイナスのベクトルの向きを、ちょっと変えてあげるだけで、変わっていく
そのためにも、まずは教師が、そのベクトルと同じ向きを向くこと
つまり、共感していくということ
そして、その子が最も価値を見出しているベクトルに教師が力を発揮できれば、認めてくれるのだ
その見極めが大切だ

そして、甘えをどこかで認めてあげる
母性は男子教員がいくら背伸びをしてもまねできない女性教員の持ち味である
こうした教師になれるか
極道の妻の岩下志麻さんのような強さ、子どもが価値を見出していることを見抜く力、共感してその分野で力を発揮する情熱、すべて理解してあげるような母性とやさしさ
こうした力のある女性教師には、到底勝てないなあ、と思うのだった
                        三浦健太朗

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