見出し画像

なぜそれが好きなのか?成功する子の特徴。

進学校の生徒指導主任の話

今日、私が勤務するセンターで高校の生徒指導の先生たちが集まる研修があった
知り合いの先生がいたので、声をかけた
「高校生の生徒指導、大変そうですね」
「いやー、なんてことはないよ」
「やっぱり、非行とかあります?」
「教育相談が中心になるだろうね」
「そうなんですか?」
「うん。わりとできる子があつまる学校で、これまで挫折してきていないからね。悩んじゃう。そんなに悩むことではないと思うんだけど」
という会話だった
中学校までは勉強で上位だった子
当然、勉強が得意だと思っているから、進学できる学校を選ぶのだ

得意、好きの正体

挫折してしまう子は、周囲との比較で、落ち込んでしまう
もともと得意だと思っていた勉強は、
「ほかの子と比べてできたから、得意」
という理由だった
そのものが本当に好きだ、というのではなかったのだ
そう言われてみると、バスケットでもそういう話がある
その子は成長が早く、小学校では身長も大きくて、運動もできた
当然、たくさん点を取ってスーパーエースになった
県大会にも出場
周囲からも認められる存在となった
得意だったから、中学校でも続けた
ところが、中学校で身長はストップ
点数もとれなくなり、周囲の選手に追い越されてしまい、試合にも出られなくなった
高校ではバスケを続けることはなかった
とても残念な話
バスケットそのものが好き、と思えていたら、また違った努力があったかもしれない
小学校のスーパーエース時代の大人のかかわり方で、違った道が見えていたかもしれない
この話だけでもう一つ記事をかけるくらい、思いがあふれてくる

大切なのは自己実現

反対もある
私の教え子で、とても成績のよい子がいた
テストの点数では、市内で一番の進学校をねらえた
しかし、進学校は受験すらせず、比較的入りやすいとされている私立校に入った
自分の夢である保育士を目指すためだった
その子は、どの学校であれば夢に近づけるかを入念に調べたそうだ
受験した高校は、幼稚園や保育園を同系列で運営している学校だった
実習に力を入れており、資格も取れる
本当に保育士という仕事が好きで決めたのだ
判断のポイントは「自分がどうなりたいか」だった

教師として

では、教師としての自分にできることはなにか?
「夢をもて」
というのは、あまりにも浅はかだと思う
小学生に、将来の夢を強要するのは早すぎる
保育士を目指している子の父親は、
「一応、ほかの公立も受験しろって言ったんだけどね、聞かないんだよ。頑固なんだ」
と言っていた。この子は相当に意志が強い
特に小学校では、他の子と比べてではなく、本当に自分の好き・嫌いをもっている子のほうが少ない
私は、まず教師がきちんとした価値観をもつことから始めたいと思う
まず、その子が本当に好きなことは何か、どんな子か見極めて、価値づけていくこと
広い視野で見て、例えば本当にかけっこが好きな子なのか?それとも、他の子より早い優越感にひたっているだけの子なのか?見極めたい
そして、ただ成績がいいからといって、変にほめないようにしたい
正しい大人の価値観というか、冷静に社会を見極めたうえでの子どもに対する評価、ということも大切だと思っている
まずは努力のプロセスを見極めてほめるべきだ
私はマラソン大会で、1位~6位の子を表彰するほかにも、タイムが縮まった子1~6位も表彰したことがある
結果よりも、過程を評価するため
そうすれば、結果的なものよりも、その過程を大切にしてくれる子が増える
過程にこそ、本当に好き、と言えるものが見えてくるように思う
そして、自己実現のために成功できる子を支えられる存在でありたい
                         三浦健太朗

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?