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「デューン砂の惑星 下巻」(1965年)

シリーズはまだまだ続くが、「砂の惑星」としては最終巻。

デヴィッド・リンチ版、ヴィルヌーヴ版の映画で散々観ているので、プロットに関してはすでに知っている。

この巻でハルコンネン男爵の甥であるフェイド=ラウサが登場する。
一方ポールは、フレメンの宗教的指導者となっていく。その過程で以前の部下であったガーニーと再会する。
力をつけたポールは、皇帝との最終決戦へと突き進む。

有名な作品なのですでに知っている部分が多い。
ただ、絶大な人気を誇る古典なので、読んでおいてよかった。
1960年代はレイチェル・カーソンなどの影響で環境問題が盛り上がっていた時期であり、本書もその影響を受けているという。

この状況は現在も似ている。地球温暖化や緑化活動といった課題は、主にビジネス方面のトレンドではあるのだが、とにかく、キーワードではある。
映画はそれほど環境問題については強調していなかったが、それでも砂漠の惑星が舞台で、「水は大切だ」といったことを再三にわたって言うのだから、無関心ではないだろう。
このあたりの状況も、このタイミングで映画化を進めた一つのポイントかもしれない。

小説としてはSFでありながら、さまざまな要素を詰め込んでいるのがおもしろい。なによりも、子どもの頃から知っていながら、いまだに読み通していなかった作品をようやく読み終えたということで、個人的な満足感がある。

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