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彼岸花が咲く島

自分の世界を構築できているのはいいのだが、小生はイマイチハマらなかった
好きな人は好きだと思う。

日本に近い場所にあるらしき、島国。そこではノロと呼ばれる女性たちが中心となって、暮らしている。
この島に流れ着いた少女は記憶を失っていた。宇実(ウミ)という名前を与えられ、島の子どもたちと一緒に生活する。
やがて、宇実はノロになるための試験を受けて合格する。
大ノロと呼ばれる老女から、この島の血塗られた歴史を教えられる。

都合の悪い歴史を隠蔽する、というのは今の政府を彷彿とさせるが、本作では大ノロは悪者としてではなく、むしろ尊敬される人物として描かれている。大ノロ自身、歴史を継承しているだけなので、本人が悪さをしたわけではないのだが。

外部と切り離された島。どうやら時代としては現代と変わらない、もしくは現代より少し未来の話のようだが、文化が衰退している。携帯電話もない。のんびりとした楽園での暮らし、というわけでもない。侵略に対する危機感はあるようだ。外国との取引もある。ただ、船で取引をしにいくのだ。このあたりは疑問が残るところで、外国がこの島の文明の度合いを知ったなら、侵略されるのではないだろうか。実際、過去に侵略されたこともある。そのときはカミカゼが吹いて助かったというが、そんなに文明が発達していなかったのだろうか。他の箇所で語られているところを読むと、鎌倉時代の話ではないようだ。

いろいろと疑問が残る本ではあった。

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