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寒波襲来

雨上がりの町を散歩していた。クリスマスは近かったけれど、冬の寒さのせいか、ぼくと彼女の関係もひんやりしていた。それでも、たまには散歩につきあってくれるから、まだましなのかな。心の中で、ぼやきのような独り言を呟いた。気がつくと、彼女がじっとぼくを見ていた。
「私のこと考えていたでしょう」
ぼくは嬉しくなってうなづいた。彼女は笑わなかった。
「私と一緒にいる時は、私のことをかんがえるんじゃなくて、ちゃんと私を見てよ」
なるほど。それが最近の寒波の原因か。ごめん。

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