斎藤茂吉の歌 二首鑑賞

のど赤き玄鳥(つばくらめ)ふたつ屋梁(はり)にゐて足乳(たらち)ねの母は死にたまふなり 斎藤茂吉 茂吉の母には食事等の世話をしている人がいたはずだが、茂吉の目はそれを見ていない。むしろ梁の燕を細かく見る。このあたりの視線の当て方が、近代短歌と現代短歌では違うように思う。

にんげんの赤子(あかご)を負へる子守(こもり)居りこの子守はも笑はざりけり 斎藤茂吉 性別役割分業が広がる前の時代の子育てに欠かせなかったのが子守の存在。昔は子供が子供をみてた。今なら一発アウトの児童労働で重労働。疲れ切ってるのに、笑わないと言われてもね。

2019.11.22.~23.Twitterより編集再掲