角川『短歌』2019年9月号
①特集「なぜ古典か」。上野誠、前半は面白かった。渡部泰明「歌論書ガイド」、ハンディで分かりやすい。『現代短歌』誌の寺井龍哉「歌論夜話」の前知識として読みたい。問題は中世で終わっていること。近世の歌論書ガイドはいつか載るのだろうか。
②特集「平成の宿題-三十年で問題は解決したのか」。この問いの立て方が意外。時間というのはただ流れているだけと思っているので、昭和の終わり・平成の初めに問題視されたことを解決するべき三十年、という捉え方が随分真面目と思う。宿題、出てたのか….。
③一ノ関忠人「口語と文語」。またこの二項対立か…と思ったが、論の最後の方で「…たとえ擬古的な近代文語だとしても…」とあり、おおーっと思った。短歌における文語の捉え方が少し変わってきたのかも。
④横山未来子「動詞・助動詞再入門」。学校で習う文語文法は勉強したいのでがんばって読む。それはそれとして引用歌が凄い。「蔦ならば鎌に切らめど一人なる夫(つま)にからみし女をいかに『夕波』中河幹子」鎌でスパッと、と言いたいところか。コワ。
⑥尾崎まゆみ「歌壇時評」。文語を「平安時代語を基礎として発達・固定した言語体系」と広辞苑で調べているが、それを踏まえて尾崎自身は現代短歌における文語をどう定義しているのか。それが曖昧なまま論が進められている。
2019.10.10.~12.Twitterより編集再掲