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個展の終わりと私のスタートについて

今回の個展は、このご時世であったにも関わらず、本当に多くの方に気に掛けていただき、かつ多くの素敵な出会いがあった。まずは何よりその点に感謝。

今年の4月に私はこんなnote記事を書いていた。

当時は情報も揃っておらず、多くの人が不安の中、思い思いの行動をとっており、それはさながらコロナ禍が一種のリトマス紙かのような印象を私に与えた。例えば今(2020年12月)になって当時の状況を分析して後出しで見解を述べることは容易いが、当時の私はそのような態度を採りたくなかった。
それは自分の考えを未来の私は知りたいだろうと思ったから。だからどんなに拙かろうと「自分の生の声」を記しておきたかった。そういう意味では自分に対する私信という側面が大きかった。その中で自分に宛てた課題に対して、今回の個展では自分なりの答えを示す事ができたように思う。
今を生き、先端の少し先を提案する表現者として。

今回の個展では「フランケンシュタインの怪物のフォーマリズム<Frankenstein’s monster Formalism?>」を標榜した。
それは、「ゾンビフォーマリズム」を多少イジりつつ、新たな表現・思想を目指すという自分なりの意思表示であった。

リアル展示とオンライン展示の差異に改めて着目した「ルーラー」シリーズ。

今回、自身初のインスタレーションであり「オンライン社会彫刻」となった「カッペリーニ1号」。

偶然のご縁で実現したVR展示。


改めて感じるのは、私が好きだと思って好きにやっている事に対して多くの方が本当に多くの貴重な時間を割いてくれているということ。
それは決して当たり前ではないということ。
勿論これまでも、それこそ私が好きなものを好きと言った瞬間から今に至るまでずっとそういう優しさに囲まれて活動して来たのだけれど、今回特にそれを痛感した。会期一日目にして既に感傷的な気持ちになってしまう程に。

お越しいただいた方、ネットで画像を鑑賞いただいた方、多くの力添えをしてくださったギャラリーオーナー、VR展示でお世話になった皆さん、気に掛けて下さった全ての方、枚挙に暇がない。
私が師事しているアートスクールの先生方に至っては、お忙しい中、web記事にまでとりあげてくださった。本当に感謝しかない。

そして今回の展示でとても印象に残っているのが、作品を見てくださる方・コンセプトを聞いてくださる方の姿の纏う空気である。私の勘違いや身勝手な思い込みなのかもしれないが、そこに驚きや感動が生まれた瞬間、場の空気がストップモーションのようで、かつ周囲の光が増したように感じられた。ファウストやメフィストフェレスが最期に見たのはこんな光景だったのかと思う程に。

それはとてもとても、あまりにも幸福な時間であったので、私は更に突き詰めてみたくなってしまった。
自分が一番好きなこと<アート>に自分のリソースを全て費やしたら、私はどんなものを作れるのか・どこまで行けるのか試してみたくなってしまった。


そういう訳で、私は平日昼に通勤していた仕事を退職しました。

またいつかのタイミングでこの記事を見直す自分がどこで何をしているのか、とても楽しみです。

最後になりましたが、今年も大変お世話になりました。来年もまた。

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