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ChatGPTを使いこなす時も必要だった感性と思考

 先月、「AI時代を生きる子どもを応援する大人のための  感性と思考を強化する日記のサポート術」という電子書籍を出版しました。その中で、「登場人物を紹介するなら、必要な背景もあわせて書くと、より話が伝わりやすくなるよ」と紹介しました。

 次は「その販促に役立つ小冊子をつくろう!」と思いさっそく小冊子作りについて調べていました。そんな中、何気なくChatGPTを使っていたときにふと気がついたのです。

「AIを使いこなす大人にも感性と思考は必要じゃないかな?」

 そこで「感性と思考を強化する日記のサポート術」の番外編をnoteに書いてみることにしました。

 まず、ChatGPTとは・・・から書くことは省略します。まだご存じない人は、そもそもこの記事にはたどり着いていないと思うので。

「プロンプト」を書くということ

 それは本当に突然思いつきました。これまで何度もChatGPTはさわっていたのに、何で気がつかなかったのだろう~と思います。

 みなさんはどのようにプロンプトを書いていますか?私の最低限のプロンプトは2行です。

あなたは、優れた教師です。
次の英作文を直してください。

こんな程度でも、ChatGPTは褒めながら私の駄文を添削してくれます。こんな指示で黙って仕事をしてくれるなんて、本当にありがたい部下です。

 しかし、忘れてはいけません。プロンプトは、AI(ChatGPT)という部下に対する指示です。指示の下手くそな上司になってはいけません。

 細かく指示もしていないのに「あれも出来ていない」「これもおかしい」というのは上司の自分が間違っているのです。つまり、こんなプロンプトを思いついているようではダメなのです。


「プロンプト」が短くなってしまう理由

 私が2行くらいでChatGPTに質問を投げかけてしまう理由はこれです。

長く書くのが面倒くさい

 仕事の場合、指示が悪ければ良い成果物は上がってこないことくらい誰でも知っています。ChatGPTに求める答え(アドバイス)が私の英作文の添削くらいなら、間違っていても大きな問題にはなりません。

みんなの味方!?プロンプト集

 そこで、「いつもどこかで手を抜けないか」と思っている私にぴったりの「コピーして使えます」みたいなプロンプトを集めたサイトを見てみました。

 そういうサイトを眺めてみると、余計な言葉が多かったり、私が見ても「短っ!」と言いたくなるようなものまであります。

 やっぱり的確な指示で無ければならない!そう思った瞬間です。

「あぁ、ChatGPTの役割指定と質問をより明確にするためには、問題を見抜く感性と解決するための思考力が必要だな」と感じたのです。(*ここでの話は、プロンプトを打ち込む人間側の話だけをしています。)

問題点とは

 問題点とは、自分が困っている点です。先ほどの例でいくならば、最も大切なポイントは「誰かに添削してもらいたい」ということになります。ちなみに、現状の困っている点や不具合から問題点を自分で簡潔にまとめることは感性の力です。

 問題点がわかれば、解決方法はそれを解決するだけですね。大事なのは、その解決のための指示です。この部分にも感性と思考が必要だったのです。

問題解決のための指示を創造する

 いよいよ問題解決のために、指示を創造します。ポイントは、この「誰か」と「添削」レベルや方法にあると思います。

お前は何者か!?

 これをどれくらい想像できるかで指示の深さが変わってきます。例えば、単なる先生と言うよりも、

・英語の先生
・日本人の英語教育に精通した大学の先生
・カナダのESLの先生
・カナダの小学校の英語の先生

とした方が、より具体的になりませんか?

 このように、問題点を解決できそうな役割を可能な限り想像することで、AI(ChatGPT)はそのレベルに見合った仕事をするようになります。また、添削レベルについても同じ事が言えます。

どんな文章を作りたいのか!?

 これも、先の役割想像と同じように細かく状況をイメージします。

・カナダ人に伝わる自然な英語表現
・中学生に分かる程度の単語を使った文章
・あまり流暢な英語ではなく、ESLの生徒らしい文章
・フォーマルな文章
・心からのお詫びの気持ちが伝わる文章
・250 wordsくらいで、私が海賊王になりたい理由が説明できる文章

 どのような文章レベルを求めているのかを知っているのは自分だけです。「問題を解決するにはどう質問すれば良い?」を常に意識しながら自問自答を繰り返すことが思考だったのです。

プロンプト集はたくさんあるけれど

 検索すればプロンプトを紹介するサイトはたくさんあります。しかし、どれもある程度の状況をざっくりと想定してつくられたものなので、自分の目指す物と完全に一致するわけがありません。

 それらを使う際にも、常に「自分の問題」について自問し、それが本当に目の前の問題の解決になるのか考えなければなりません。それがわかって初めて指示を創造するのです。

最後に

 感性は、目の前のものを自分の経験や知識というフィルターを通して見るようなものです。そして、必要な条件の下、自分の個性を少しちりばめたものとして表現したときに、他人から「あの人は感性が高い」と認知されます。

 また、感性を働かせるためには、ある程度の条件がなければいけません。英語の先生ならどこの国でもいいわけではなく、アメリカなのかイギリスなのかで選ぶ単語も変わってくるからです。これが条件です。

 そして「本当に間違っていないか?」「確認するならどこか?」を意識する習慣をつけることで、文章のつじつまを論理的に考える思考力が身につきます。

 これさえできれば、AIに負けない仕事ができるようになると思うのですが・・・・・・どうでしょう?

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