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【知財塾】明細書作成ゼミ(IT・電気)の自主演習コースの感想

こちらの記事は、2021年1月開講の明細書作成ゼミの自主演習コース(講評無し)で実際に学習されたゼミ生( @omochi_benrishi さん)に寄稿いただきました。自主演習コースの購入をご検討されている方の参考になりましたら幸いです。

最近、明細書作成ゼミ(IT・電気)の自主演習コースを受講したので、その感想をまとめてみました。
知財塾に興味のある方、受講を迷われている方に、何か少しでもご参考になれば幸いです。

1. 自己紹介&受講動機

まず、簡単に私の自己紹介をさせてください!!

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キャリアとしては一応、知財業界へ来てから6年ほど。
しかし、ここ数年は出産を挟み、復帰しては、また産休育休…という、もどかしい気持ちも抱えております。

そして、主な業務内容として、出願・権利化にも携わっています。
下の図のように、明細書作成は事務所の先生に依頼するスタイルです。
企業知財の方に多いのではないかと思います。

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自分で担当するのは、発明者からヒアリングした内容をもとに、クレーム骨子と、明細書のストーリー(従来技術~効果)を検討するところまで。いわゆる明細書作成ゼミで登場する、「発明提案書」、もしくはもっとシンプルな書類を作成します。

その発明提案書をもとに明細書を作成して下さるのは、特許事務所の先生。
つまり、私は明細書作成の経験がほとんどないまま、今に至ります。
これは、今後も知財の業務、特に出願・権利化に携わっていきたい身としては、ずっと心に引っかかっていました。

こんな思いが受講動機に繋がります。
今回の受講動機は、主に二つ。

一つ目は、上述した通り、出願権利化を担当しているのに、明細書を書けないのはちょっと嫌だなあ…という気持ちがずっとあったこと。

二つ目は、仮に今後も、実務で明細書を書く機会がなかったとしても、書き手側の経験値があった方が、自分の担当業務(=発明提案書の作成や原稿確認)のクオリティも上がるはず。結果として、質の高い出願・権利化につながるのではないか、という思いを持っていたこと。

二つ目の理由については、具体的に、こんなやり取りがよくありました。

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事務所の先生側からしても、頼りない知財担当に見えていると思います。
上の図のようなことが起こるのは、書き手側の経験がないのも大きな理由の一つなのだろうと思っていました。

そんな理由から、知財塾の受講を決めました。

2. 自主演習コースのメリット

私が今回受講したのは、「自主演習コース」でした。
2021年1月に開講されたゼミの内容が、そのまま録画された動画を見ながら、自主的に演習を進めます。特に受講期限なども設けられていません。

本当は、講師の方から直接ご指導を受けられるゼミ形式のコースで参加したかったのですが…。

冒頭でもお話しましたが、育休中である私は、現在こんな状況です

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ゼミは平日夜に開講されており、平日ワンオペの私には時間の確保が難しい。
更に、演習が中心のゼミが毎週続く、というペースについていけるかも心配でした。

そんな理由から、自主演習コースを選択。
結果的に私の生活スタイルにはぴったりで、無理なく学習を進めることができました。

そして、ゼミ形式のコースより、少し価格が安く受講できるのもありがたかったです。

3. 自分で手を動かすことが一番の近道!実際に取り組んだ感想

私が受講した明細書作成ゼミでは、全5事例の明細書作成に取り組む内容になっていました。課題、発明のポイント、効果などがまとめられた発明提案書をもとに、本講座の最終ゴールとなる明細書を作成していきます。
各事例について、下の図のような流れで進めました。

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1事例につき、演習を3つのステップに分けることができるので、
各ステップについて、視聴⇒演習⇒視聴、と小さなサイクルを繰り返しながら、明細書完成を目指していきます。

細切れ時間に少しずつ動画を視聴しつつ、時にはご飯の支度や、洗濯物を畳みながら、クレーム案をぼんやり考えたり。自分のペースでコツコツ進められたのがとてもありがたかったです。

ここでカミングアウト(?)をしてしまうと、
実は、1事例目は、先に全部動画を見てしまったんです。なんとなく分かった気になって、いざ、自分で書いてみようと思っても、全く書けない。先に答えを全部見ているはずなのに…。
この時、やはりインプットばかりでは何も身につかないのだなと実感しました
今まで特許調査等で公報を数えきれないほど読んでも、「明細書の書き方」の本を読んでみても、全く明細書が書ける気がしなかったのと、同じ事なのだろうと思います。

反省を活かし、2事例目からは、まずは自分で検討する時間を作ってから、解説部分を視聴するスタイルに切り替えました。やはり、一度しっかり考えをまとめてから動画を視聴するので、理解度が全然違いますね!

解説動画では、ゼミで受講生の方が作成したアウトプットについて、講師の方が解説して下さいます。
私が受講したコースは、3人の受講生の方がゼミに参加されていたようで、3通りのアウトプットが拝見できるのです。
自分の書いた明細書と比べてみて、皆さんより検討が足りなかったところ、同じような疑問を持ったところなどは、より理解が深まりました。
単に模範解答の解説を受けるだけでは気付けないことも多かったと思います。この点は、知財塾の講座のメリットだと思いました。

4. 実務で明細書を書かない人こそ、強みになるかも?受講して得た学びと感想

実際に最後まで受講してみて、特に印象に残った「学び」は下記です。
日頃の実務では気付けなかったことを沢山気付けました。

・サブクレーム作成の考え方
・明細書作成の手順(図面から検討)
・必要な図面と順番、データ構造の重要さ


正直に申し上げると、この講座の演習だけで対価を頂けるレベルの明細書が書けるようになるか?という問いには、私はNoかな?と思っています。

しかし、1から明細書作成の実務を習得していく方にとっては、導入として最適な学習の機会なのではないかと思います!
更に、実務で明細書を内製しない企業知財の方にとっても、ご自身の出願業務の質を高められるという点でとても期待ができると思います。明細書を内製しない環境にありながら、明細書作成側の視点を持てることは、むしろ周りと差が付きやすいのでは??とまで思ってしまいます。

知財塾で学んだことについては、実際の実務で自分が作成する「発明提案書」にも反映することができそうです。更に、明細書作成側の視点を学べたことで、以前よりも自分の考えに自信を持って、依頼先である特許事務所の先生と議論ができそうです!

自主演習コースの価格は、1講座5万5000円です。決して安くないですね。しかし、自己研鑽費としては、手の届かない金額でもないと個人的には思います。
私はスタバのフラペチーノ購入頻度を減らすことによって、受講代の一部を捻出しました(笑)
スタバ通いを自粛した代わりに、上述した学びが得られたと考えると、受講して本当に良かったです!

私のような、明細書作成業務の経験がなくてモヤモヤしている方や、これから明細書作成業務を学んでいく方に、とてもお勧めしたい講座です。

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