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【知財塾】明細書作成ゼミ(化学)の感想

こちらの記事は、実際に明細書作成ゼミ(化学)に参加された受講生の方に寄稿いただきました。知財塾ゼミへの参加をご検討されている方の参考になりましたら幸いです。
本ゼミは終了しておりますが、演習問題とゼミ動画のセットを、WEBサイトにおいて引き続き販売しております。ご興味がある方は、ページ最下部のリンクよりご確認ください。

1.はじめに 私の自己紹介

私は、企業知財で6年間、出願権利化の業務を中心に業務に取り組んできました。担当してきた技術分野は、化学(無機材料や有機無機材料)や機械が中心です。明細書を私自身で作成した経験として、この6年で10件程度です。案件の9割以上を特許事務所の先生に依頼して、出願業務に取り組んでいます。

2.受講のきっかけ

特許事務所の先生から明細書案を受領しても、企業知財一年目のころは、「明細書案のどこを見たらよいかわからない...」、その一言でした。この課題を意識して、社内で先輩社員と明細書の内製を行いました。そのおかげで、明細書案をチェックするポイントが次第につかめてきた感じがしました。さらに、弁理士試験の勉強をはじめて、「条文と明細書ってつくりが似ている」と感じられるようになり、明細書案をチェックするポイントがさらに理解できてきた印象です。
このように、何か新しいことに取り組むと明細書案のチェックするポイントがわかってくるので、このような演習形式のゼミを取ろうと思いました。
また、自分自身で明細書をさらに教わりながら起案したいというだけではなく、事務所の明細書案をチェックする力をさらに磨きたい、そんな想いもありました。また、私自身が担当した出願案件の翻訳文(外国出願用)を確認すると、読みにくい箇所があると感じていました。そのため、翻訳しやすい明細書を作成する、という観点のものにも興味がありました。

3.どのような講座だったか

約4か月の期間で5つの事例(技術分野:組成物、食品、化合物、構造が絡む材料、及び合金)の明細書案の作成に取り組みました。

毎週の演習は、

・90分の自習(クレーム案や明細書案の作成)
・90分のファシリテーターからのフィードバック

の形式でした。

フィードバックの時間においては、ファシリテーターの方から、受講生が事前に作成したクレーム案や実施例の記載に関して、コメントをいただくことができます。また、フィードバックの時間においては、事例に関連するディスカッションもありました。このゼミでは、化学系実務に固有の「実施例や比較例」の取り扱いと、本願発明における課題とその効果との対応関係について、留意する視点が身につくようなディスカッションが特に多かったです。
私の場合、事前にクレーム案や実験データを整理した表をファシリテーターにお送りすることを心がけて、フィードバックの時間がより有意義になるように心がけました。
このフィードバックの時間においては、他の受講生へのフィードバックも聞くことができます。どのようなクレーム案を書くか、どのような実施例を活かすか、他の視点での気づきが多く、多くの学びがありました。

またこのゼミの期間、下記のような感じで事前課題や明細書作成に取り組んでいました。

● 週末(土曜や日曜計3~6時間)に事前の課題に着手、ゼミでファシリテーターからいただいたコメントをもとにクレーム案などを修正(必要に応じてファシリテーターに事前送付)
● 連休(祝日)には、ファシリテーターからいただいたコメントをもとにクレーム案などを明細書としてまとめて、ファシリテーターにチェックの依頼

4.どのようなかたちで仕事に生きているか

明細書案をチェックするポイントの中でも、実施例・比較例とクレームとの対応関係を留意してチェックする視点が大変身についたと思います。同時に、過去に私自身が担当した出願案件においては、この視点でのチェックが甘かったと今では反省しています...

5.受講を迷っている方へ

今回の講座において、受講者は5名でした。勤務先は企業知財や事務所などで、業界の経験年数は多岐に渡っていました。
明細書作成に興味のある方であれば、さまざまな方がこのゼミの受講対象であると私自身感じました。
エンジニアの場合、「どのような情報を知財担当や特許事務所に開示すべきか」という視点が身につくでしょう。また、企業知財担当の場合、今回の私のように「特許事務所からの明細書案をどのような観点でチェックするか」という視点が身につくと考えられます。さらに明細書を実際に起案する方(事務所の特許技術者や企業知財担当)の場合、「様々な技術分野の実務のスタイル」を知るきっかけになると思われます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
本ゼミは終了しておりますが、ゼミに使用した演習問題とゼミ動画のセット(自主演習コース)を、WEBサイトにおいて引き続き販売しております。詳細は、以下のリンクからご覧ください。
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