AIを発明者と認められなかった件について
こんにちは、知財コーディネート広場です。
先週末にちょっと気になるニュースが目に留まりました。
内容はこちら ↓ 。
ざっくりいうと、新技術を開発したAIを発明者として認められず、特許権も得ることができないことに対して科学者が裁判を起こしたが、棄却されたというもの。
この事象について思うことをまとめたいと思います。
確実にAIが私たちの生活に溶け込んできている
AIロボット。つい10年くらい前まで、日本でロボットが身近な存在かと言えば決してそうではありませんでした。AIBOのようなペットロボット、掃除ロボットのルンバ、もしくはPepperくんが世に出始めて、展示会やメディアなどで目に留まるくらいだったかと思います。
しかし、今では私たちの身近のところでもあらゆるロボットが出てきました。例えば、ファミレスに行くと最近はロボットが配膳するところも増えてきています。不登校の生徒の代わってロボットが登校したり、今後介護ロボットも増えてくるでしょう。
ロボット自体は産業分野を中心に以前から活躍していたのですが、外食や学びの場、介護など私たちの生活に介入しはじめているのは間違いありません。
確実にAIが人間の知能を超えてきている?
ITの進化により、人間の脳と同レベル、それ以上のAIが誕生する頻度は年々増加しています。
すなわち技術的特異点(シングラリティ)。これについては様々な意見がありますので、詳細は控えますが、確実に言えるのはAIと人間の共存が増えてきているということです。
AIが人間の知能を超えているとは言い切れませんが、人間の行動や思考を代替したりアシストしたり、あるいは人間と協調するために活用する存在となっていると言えるでしょう。ChatGPTがいい例ですね。
ここで本題。AIが特許権の権利を得られなかったのは何故なのか?
AIは物凄いスピードで進化し、私たちの生活に溶け込んできているのは事実。しかしだからと言って特許権などの権利まで得られるのかというと、これは主観も入りますが、現時点は難しいと思います。
なぜなら、このような権利の主体は「人間」だからです。現行の法律では「発明者は人間でなければならない」。当たり前のことと言っては当たり前なのですが、前述の通り、あまりにもAIが自分たちのにとって身近になってきてしまっているため、今回のようなことが起きてしまったのでしょう。
10年前にこのようなことが起きようとは想像すらできませんでした。前述の通り、AIが私たちの生活に溶け込み、共存の場が増えていることで起きたのではないかと思います。
AIは共存から融合へ?今後どうなるか分からない
ただし、これについては今だからそうなったわけであって、先のことは分かりません。権利の主体は人間という今の常識すら、未来では非常識になってしまうかもしれないからです。
かなり前のことになりますが、国民的人気アニメの中で人造人間たるキャラクターがいましたし、世界では難病ALSに立ち向かうべく自らをサイボーグ化させた科学者ピーター・スコット-モーガンさんもいます。以下の本で知りましたが一言で「衝撃」です。
AIとの共存から融合という時代も否定できないわけで。そうなったときに今の常識が通用するのでしょうか?もしかしたらAIが発明者として、特許権もAIに与えられる未来があるかもしれません。
今回イギリスで行われた裁判は、今の非常識を未来の常識に変えるかもしれないきっかけになるのではないかと個人的に感じましたし、1つの学びになりました。
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