受け継がなくていいもの
私は生まれつき「なで肩」である。これに気付いたのは大人になってからだった。それまで世の中の人の肩はみんな同じだと思っていたのだ。小学校高学年ぐらいになると、酷い頭痛に悩まされることも度々で、中学生になって胸が膨らみ所謂女性の体型になる頃には、その胸が嫌で今度は猫背も加わった。肩こりや頭痛はずっと私と共にあった。
どのぐらいなで肩かというと、キャミソールやブラの肩紐が何もしていなくても落ちてくる、ショルダーバックはすぐずり落ちる為、片方の肩を持ち上げておかなければならない。なので、ショルダーバックを買っても、紐の部分を取り外しハンドバッグとして利用することが多い。
なで肩に猫背。肩がこるのも当たり前っちゃー当たり前。マッサージに行くと「これは何ですか」と聞かれることもしばしば(こっちが聞きたいわ)「久々に汗かきました!」と男性マッサージ師に言われることもしばしば(遠回しに非難してる?ごめんて)あまりも肩こりが酷い時、鍼を打ってもらおうと行ったら、「これは、少しほぐさないと針が入りません」と言われたこともある。ガチガチの肩。
そんな私が産んだ息子の肩はと言うと、全くなで肩ではない。ゲルマン民族の血の方が多いようで、大変がっちりした肩なのだ。
私は、子供が男の子で良かったと思うことがよくある。この肩もそのうちの一つ。なるべく自分がしんどかった事は受け継いで欲しくない。他にも生理とか。あれは本当にしんどい。私は生理痛が酷い方で、最高潮に痛い時は脂汗が出て声にならない声が漏れ、身体をくの字に曲げないといられないほどだった。もちろん痛みに耐える以外方法はない。全く痛みのない人でも、股からずっと血が出るなんて状態が心地いいわけがない。学生時代は、就学旅行やプールの授業にぶつかると嫌だし、いつもトイレを確認しなきゃだし、白いパンツやスカートは履けないし、いきなり始まるので、その度に「はっ、ト、トイレ!」って焦るし。どんな罰ゲーだよと思うほどしんどい。それが40年弱毎月一週間あるのだ。そんなにもしんどかった生理が終了すると、「へへっ、まだまだ楽にはしてやらないぜ」とばかりに更年期の症状が出てくる。それらを乗り越えているだけで、世の中の女性は崇め奉られてもよくないか?ねぇ?!(誰に言うとんねん)
あともしも子供が女の子だと、自分の母親との関係性が再来しそうで、怖くもあるからだ。きっと母が腹を立てたポイントで同じように娘を縛ったり、怒りをぶつけてみたりしそうなのがわかるので、あぁ男の子でよかったと思う。
受け継がれなくて良かったと思うことの方が多いが、中にはこれは私に似ておいた方が良かったのにと思うこともある。しかし息子の性格のだいたいは夫を受け継いでいるようだ。私が10ヶ月お腹で育て、私がワンオペで育てたにもかかわらず息子は夫に似ている。え?もしかして育て方とかあんまり関係ない感じ?
両親の良いとこばっかり取って生まれてきたらいいのにな。そうは問屋がおろさないらしい。フンッ
※イラストお借りしました。mikitanishi3さん、ありがとうございます。
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