工業高校生に送る大学進学の注意点 ①「専門科目は有利!」で自分を騙すな

このシリーズは

工業高校→それなりに有名な私大に進学したおっさんが工業高校生(と
その親)に送る応援メッセージです。


スペック

私のスペックは次のとおり。
・関西の公立工業高校電気科→関西の私大卒(工学部・電気系)。
・高校時代に取得した資格は危険物取扱者(乙種4類→3類)、工事担任者(アナログ・デジタル総合種)、4級海上無線通信士、ガス溶接技能講習。
・大学進学後に合格・取得した資格は第1種電気工事士(合格)、第2種電気工事士、第3種電気主任技術者(電験3種)、情報セキュリティアドミニストレータ、テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)

最初に覚えておきたい大事なこと

昨今では、工業高校から大学進学は珍しくないルートになりました。
でも、「大学進学」ではなく「大学卒業」までたどりつければなおうれしいことです。

  1. 「専門科目は有利!」で自分を騙すな

  2. 単位はよく考えて取ろう!

  3. 逃げの道はあるよ

「専門科目は有利!」で自分を騙すな

工業高校では専門分野の授業を受けています。だから、大学一年目の授業、とくに実習系は簡単にできる……そう思いがちです。
甘い考えは捨てましょう
一般入試を受けず、推薦を受けた人はとくに注意しましょう。
今が高校3年生なら、最優先で現国・数学・英語の3教科をできるかぎりやりつくしておきましょう。できれば物理も。
入試まで一年以上あるなら、高校の先生にお願いしてでも3教科の力を付けておきましょう。
電気系に限定(するのは、私が電気系出身だからですが)していえば、数学なら微積分とベクトルへの苦手意識をなくすこと。行列がもし学べるなら、積極的にやっておくことです。
なぜか。
大学の授業は大概、普通科高校で勉強してきた人を前提に組立てられています。そういう方々は三年間、みっちりと5教科……特に現国・数学・英語(+物理)を修めてきています。高校卒業が認められるには、74単位以上の授業を習得しなければなりません。専門科目はその内25単位以上なければなりません。
1単位=29時間なので、だいたい725時間は専門科目です。
「ほら! 普通科の生徒はその分専門分野をやってないのだから、工業高校は有利じゃん!」って思わないでください。
大学の授業は基本的に現国・数学・英語のベースの上に積みあげられます。普通科の高校生が有利なように授業がつくられている訳ではなく、高校の授業と大学の授業はスタートラインがちがうというだけなのです。
そして、大学の授業のスタートラインに立つには現国・数学・英語の基礎力が必要、という話なのです。
工業高校での授業がまったく無駄というわけではありません。工業高校でまなぶ様々な理論や知識はより深く掘り下げられるんだよ、その掘り下げには3教科の力が必須なんだよという意識で授業を受けましょう。

次回は単位のはなし。

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