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彼氏が記念日を間違えていた話

これは完全に私の惚気話。

先日、なんと私は人生で初めて同じ人と付き合って2年目という節目を迎えた。今まで付き合ったことはあっても、1年以上続いたことがなかったので、これはもう快挙と言っていい。

そういう理由もあり、私は付き合った記念日というものとの向き合い方が去年まで分からなかった。

男性の中には、記念日といちいち銘打つと面倒くさがる人もいる。という情報は持っていたため、去年は散々悩んだ。

プレゼントを用意するべきか、いつもより少し晩御飯の量を増やすくらいでいいのか、浮かれてケーキとか少し贅沢なものを買ってきてもいいのだろうか……などなど。

結果、去年の記念日は彼の好きなコロッケと、デザートにチョコレートムースを作るに留まった。

だがしかし!

なんと彼氏は、プリザーブドフラワーを用意していたのだ!!!

男性から花をもらう経験なんて初めてすぎた私は、大いに慄いた。「うおーうおー!」と謎の声を上げながら、ガラスケースの中に入った永遠に枯れない花たちを360度舐めるように見つめた。

その時に決めたのだ。
「来年こそは、もっと何か考えよう」と。

そんなわけで、今年はちょうどTwitterで話題になっていた小笠原伯爵邸の中にあるカフェでケーキのテイクアウトを頼むことにした。(本当は獺祭のパフェが食べたかったのだけれど、予約人数が1名ということで断念)

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そして、普段ファッションに頓着のない彼に、ぜひともフードを着てほしくてパーカーを買った。Mr.パーカージュニアを彼に見せると「かぁぶれっ!」の言い方にハマったというのも、少しある。

今年は準備は万端!

気合を入れた記念日当日。
出社していった彼に、少しサプライズがしてみたくてプレゼント包装された服をこっそりと彼のパソコン机に潜ませた。晩御飯はまたコロッケか悩んだが、帰りが何時になるか分からないので、揚げ物はまた別日に延期することにした。

夕方になり、日が暮れ、大体いつも帰ってくる時間になっても彼は帰って来ない。帰るという連絡も来ない。

さすがに夜も深まってきて、私は結局1人でご飯を食べた。コロッケはできなかったけど、いつもよりおかずを1品増やした食卓だった。

22時半を過ぎても彼からは連絡が来ない。そこまで来て(まさか、何かあった?)という不安に襲われ始めた。去年、記念日にプリザーブドフラワーまで用意してくれた彼が、当日にここまで残業をするというのが想像できなかったからだ。

それから数分後、ようやく彼から「今から帰る」と連絡がきた。

帰ってきた彼が食事を終え「ケーキ食べる?」と聞くと、不思議そうに「じゃあ、食べる」と返す。そこから、少しずつ違和感を覚え始めた。プレゼントに気付く様子もなくて、ついには「ちょっとその辺見てみてよ」と促してしまった。

そして、プレゼントを見た彼が「え、何で?」とまた不思議そうな顔。「だって、今日記念日だし」と返せば、それはもう彼は驚いた。

「記念日って明日じゃないの!?」

話を聞けば、去年のスケジュール帳になぜか日付を跨るようにメモしていたらしく、てっきり翌日を記念日と思っていたらしい。

「えぇー……嘘じゃん。俺、明日早く帰るために残業したのに、そしたら花屋も空いてるから、花束買って帰ろうと思ってたのに……」

項垂れながら彼は明日の作戦を全部教えてくれた。その言葉に今日、こんなに遅かった理由も腑に落ちた。君はそういう人だよね、ありがとう。でも、1日間違ってるんだな、これが。

彼は悔しいのか「本当に今日!?」と尋ねてきた。しかし、LINEやら日記やらの記録を確認しても、間違いなく今日がその日である。証拠を見せられた彼はうわ言のように「マジかー……」を繰り返すようになった。

そこから私は大爆笑だった。安心したのと、何度も「ごめん……」と返してくれる彼が可愛くて、愛しくて。

ケーキを買いに行くことも、何日も前から私が言っていたのだが(1日早くない?)と思っていただけで、特に疑わなかったらしい。いや、そこで確認しろよ、という話である。

そんなわけで、翌日。
彼は宣言通り、いつもよりだいぶ早く帰ってきてくれた。黄色の花束を携えて。ただ、ゲーマーである彼の開口一番は

「PS5、予約できなかった……」

だったけれど。

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