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【読書感想】「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」 川上和人

今年、最も面白かった本!(1月や)

学校から配布された、子どもの国語のワークに載っていた文章が面白く、この本を読んでみたいと思った。

筆者は東大出身の学者先生だけど、「駄菓子屋を中心に分布する鳥類」のキョロちゃんに言及されるなど、まるで気取りのない素敵な先生。
わかりやすく面白く、とっってもセンスの素晴らしい、そしてタフでかっこいい、鳥に近い(?)バイクを愛する先生。

どのページも余すとこなく笑ってしまう、読み終わってしまうのが悲しく寂しく、ページが薄くなってくると、大好きなアニメなどの最終回が近づいているような、なんだか泣いてしまいそうになる😢そんな本は滅多にない

先生のチームが、南硫黄島に研究に入る話は、先月見た、「硫黄島からの手紙」(監督:クリント・イーストウッド 主演:二宮和也、渡辺謙)という戦争映画とのどえらい違いに、とても驚いた。

人が立ち入っていない島の生態系を破壊しないよう、ここまで大変な配慮をして、研究とはこんなにも体を張ったサバイバルで、それらを笑いの余裕を忘れない川上先生を、心から尊敬した。

硫黄島での戦争の惨劇、乱獲による自然破壊の現実の一方で、こんなにもいのち、自然を大切にする人たちの現実もあるのだと、とても嬉しくなった。

近所の綺麗な川に、目の醒める輝く青と鮮やかなオレンジの小鳥がいる。
カワセミ。


のんびりと水辺にいる、ぐぇぐぇと面白いダミ声のカモたちと違って、なかなか姿を見せない。

でも、ほんの一瞬横切ったその美しい姿は、とても残る。

学校の冬休み終わり頃、「あの青い羽、落ちてないかな~」と言う子どもに、「福山雅治の抜け毛も、どっかには毎日落ちてんだろうけどね~。なかなか一般人が姿見るの難しいから、拾うのは難しいんだろうね~」などとと言いながら川沿いを歩いてたら、橋にカワセミが一羽留まっているのを子どもが見つけた!

橋の上を歩く人には見えないところに、ちょんと一羽、確かに留まっている。

よく見つけたなあ~!
あんな所に留まったりするんだと、驚いてしばらく見ていたら、川に向かって飛び込んだ!

ああやって、魚を捕るらしい。
え~!あんな遠くから、川の中を素早い速さで泳ぐ魚を見つけて、突っ込んで捕るなんて、ものすごい動体視力と反射の速さ!やっぱり福山雅治級の、並大抵でない能力!

しかし、負荷が高いだけに、カワセミは目を傷めるのが早いらしい。それは辛いね。。

川面を見下ろすカワセミが、何度か飛び込む様子をしばらく見ていた。

水から上がる時、綺麗な声で鳴きながら戻っていく。あの美声で、実は「ふざけんなよ」とか罵声舌打ちしてるのかもしれない。さすが福山雅治!

そして遂に、無言で上がってきた!魚をくわえてるから。

おお~👏石の上で食事をしている福山…じゃない、カワセミを見届けて、帰宅した。

こんなの初めて見たので、とっても感動した。
鉱物や生物に詳しい子どもにいっぱい解説してもらって、貴重な体験できた。

その数日後、子どもが学校帰りに川沿いを歩いていると、よく見える近いところにカワセミが降りて、逃げようともしなかったらしい。

そんな珍しいことが!
これって、あの時のカワセミで、もしかしてもしかして、子どものことを覚えて認識したんじゃないかしら。
あれだけ視力に優れた、能力の高い鳥だもの。危害を加える存在じゃないってことまで、見抜いたのかもしれないと思った。



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