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ポリティカル・コンパス

 Wikipedia先生によると「ポリティカル・コンパス」とは、「政治思想の傾向(政治的スペクトル)を点数化して二次元座標に表したもの」である。

 もうすぐ選挙ということもあり、Twitterでは主要な論点に対する各政党の立場をまとめた画像が流れたりもしている。自分の考えと比較して最も政策が支持できる政党を選んで投票してねということらしい。

 確かに選挙において政策というのは非常に重要な要素である。どの政党・候補者に投票するかを考える上で多くの人はその政策の違いに着目するだろうし、自分の考えが一番政治に反映されると考える選択肢を選びたいものだろう。そう考えると、ポリティカル・コンパスや政策早見表で自分の考えを確認し、それと近い政党・候補者を探すというのは、政策を吟味して投票するハードルを下げる有用な手段と言えそうだ。

 しかし、政策というのは掲げるだけではなく実現しなければ意味がない。政策だけを見て選ぶとなると、その政党や候補者が掲げる政策を彼らが実行可能なのかが無視されてしまう。また政治というのは選挙で争点となったこと以外にも様々な分野を司るものであり、行政運営を少なくとも今まで通りに行えなければ社会に悪影響が及ぶ。外交や災害と言った問題にも対応しなければならないことを考えると、掲げる政策だけでなく政治を任せられる政党・候補者かというのも考えるべきことだろう。

 日本では近年長く自民党中心に政権運営が行われており、2度の政権交代も長くは続かなかった。政権交代が比較的頻繁に起こる二大政党制の国ならば下野している政党でもある程度の政権運営能力があるだろうが、日本の野党がいざ政権を担うとなった時にどれほどできるかは未知数としか言いようがない。直近の民主党政権でも3年半で国民に見切りをつけられた形であり、与党は初めてだから許してねというのは通用しないのだろう。

 だから自民党に投票しろという話ではないのだが、幾つかの主要政策だけを見て選ぶというのはいろいろ見えなくなるものも多いのではないかと思った次第である。ただ、今の与党は政策的には魅力が乏しいけど政権交代で政治自体が混乱するよりはましという理由で与党が勝って、与党の政策が支持されているとなるのもよろしくないだろう。選挙も難しい。

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