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「たべない」犬。秋田犬ももこ、4匹の猫とくらす

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ごはんすき? きらい?

 ももちゃんが岡山からやってきて、1ヶ月がたった。
 その間に狂犬病の注射やワクチンが済み、猫幹部たち4匹との面接もオールクリアした。家での暮らしも、日々の散歩や外出にも慣れてきて、少し余裕ができたようだった。海にも行ったし、大きな公園、映画出演(「令和シャーク」)まで果たしたのだからすごい。女優デビューだ。

🍑「砂浜〜」
🍑「サメいやー」
🍑「たのしーっ海たのしー!」

 写真には実に楽しそうな笑顔があるのだけれど、実はこのころ大変な問題が起きていた。それは「食べない」こと。

 ももこは、Oさんの犬舎にいたころ一日一食でそれはそれは大きな中鍋いっぱいのご飯を平らげていた。その上で、パンが大好きで結構な量を食べていた。
 ところが我が家に来てから三日目くらいだろうか。
 いきなり、食べなくなった。
 最初は猫たちという新手の同居人が現れたわけだし、環境もまるっきり変わったのだから仕方ない……と食べられる量だけ食べたらいいと獣医さんからも言われたし社員もそう思っていた。
 けれど三日四日、1週間、2週間、1ヶ月と続くと、そんな悠長なことは言ってられない。食べなければ究極の話、死んでしまう。Oさん夫妻には散々相談しまくり、お世話いただいたひーさん夫妻にも相談しまくり、ネットで知り合いになった秋田犬を飼われてる方から〇〇がすきだ、と聞けば買い毎日のようにペットマートに行きなにか食べてくれそうなものを探した。このころの食費は今思い出すのも恐ろしい。成人男性2ヶ月分(外食含む)くらいを1ヶ月で消費するペース……といえばなんとなく伝わるだろうか。
 それでも目新しいものを出せば、一応は匂いを嗅いで口に入れてくれる。
 でも飲み込むわけではない。もしかして口の中にできものか? とか胃の調子が悪いのか? と病院にも行ったけれど、異常はない。ただ毎回測るたびに体重が少しづつ減っていくだけだった。
 
 我が家に来た3月20日時点の体重は、22.5kgだった。(24日に獣医さんとこで計測)どちらかというと痩せ型と言われたのだが、それが食べないわけだから自然と減ってゆく。
 あまり食べない時間がどんどん過ぎて、4月の半ばには20kgちょうどになってしまった。明らかに痩せた、と犬経験の浅い私でも思った。本犬は元気そうに見えるのだが、何しろ食べない。心配で心配で、犬舎での運動量から比べてやはり運動量が足りないのでは、とアドバイスを受けてあちこち行ったり3時間くらい歩いたりがんばっていたのだが、全くこれが食べてくれない。

かなり頑固な「たべないぬ」

 相変わらず目新しいおやつやご飯には興味を示すのに、犬用のフードは全くもって見向きもしない。
 このころ私は、お手上げという言葉ってこういうことかと痛感していた。なす術がないのだ。いやーもう、泣きたかった。なんで食べないのだ。わたしゃ人生の長さ=猫と付き合ってきたけど、元気な子で食べないってことはないですよ。
 猫は食べる。主人が留守だろうが寝込んでいようが地震が来ようがなんだろうが、食べる。犬ってこんななの?と散歩でであう犬飼いさんに聞いてみるが、みな一様に「元気なのに食べないってことはあり得ない」という。

 なんでじゃー! なんで食べんのじゃー!
 何度も心の中で叫んでいたのだが、ももこの体重が20kgぴったりあたりでちょっと私自身がプチ崩壊したのかもしれない。食べればなんでもいい、に方向を転換したのだ。目新しいものならなんとか口にするわけだから、と毎食なにか新しいものを用意するようにした。あと欲しがるものは犬にとってNGな食材じゃない限りあげてみることにしたのだ。
 おかげで(?)ももこの好きな食事の傾向がなんとなく掴めたのだが……ここにリストにしようと思う。もしかして秋田犬とくらす方で、同じような悩みを抱える人の役に立つかもしれない。もしもその方のあきたちゃんがももこと同じ傾向だったら。

「ももこ好きなものリスト」

  • 白ごはん、パン(麺は嫌い)

  • 甘い野菜。カボチャ、さつまいも、トマト、キャベツ(ただし煮込んだもの限定)

  • 白身魚、豚肉、鶏肉、砂肝、サメの肉

  • 甘いもの、ビスケット、クッキー、回転焼など、犬用ケーキ、カップケーキ、クリームのついたもの全部

  • チーズ、卵、ミルク系のもの

  • 猫のごはん

  • ヤギミルクの歯磨きガム

 いかがであろうか。色々と試してお手上げ状態になった私が行きついた、ももこが食べるもの一覧である。この中に獣医さんに怒られそうなものがいくつもあるのは承知している。よーくわかっている。それでも、本犬が「それください」と訴えかけ、私も食べないよりはマシだと与えてしまったので致し方ない。
 残念ながらこの中には犬用のフードがないので、結論として確実に食べてくれる白飯、卵、肉、野菜の組み合わせでできる「おじや」を毎回用意し(これも同じものが続くと食べなくなるから作り置きはできない)、人肌に冷まし、こっそりフードを混ぜている。
 ちなみに、ももこお嬢様は混ぜ合わせ人肌に整えられたお食事をまずスプーンで「味見」して納得しないと、本編であるお皿に向かってくれない。
 正直いって、ももこの食事の方が人間のよりずっと栄養満点で豪華なことも少なくない。おまけに手間もかかるし、野菜は細かーくみじん切りで煮込んでないと食べないし、ご飯も冷やご飯を使ったものは食べない始末。
 言わせてほしい。ほんっとーーーーーーに、面倒くさい。
 なんでこうなったのか皆目見当がつかないのだが、きれいにお皿を空っぽにして「食べたよ」と報告してくれる丸い目を見ると褒めちぎらずにはいられないのである。
 ちなみにあれだけ減りまくった体重だが、一年後の今は28.4kgを記録しており、そろそろ肥満に気をつけないとねと言われている。

お知らせ|ももこ、AKJ55(秋田犬・赤毛女子GOGO)のメンバーとしてアイドルデビューしました!応援よろしくお願いします💕

まいにちあきたちゃんLINEスタンプ作りましたっ!挨拶が多めで使いやすいよ。

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