見出し画像

妹のことと、ひとりの命

自分には、
3歳下の妹がいる。
東京で働いていたけれど、
環境に馴染めず田舎へ戻って、
そして、
あちらで結婚した。
2人の息子に恵まれ、
水田や畑を作っている。
義弟は、工務店を経営している。
結婚当初は、
あちらのご両親が健在だったけれど。
お父様が亡くなり、
お母様が頑張っていたけれど、
数年前から入院していた。
コロナ禍で面会にも行けず、
案じていたら、
昨日訃報の知らせが届いた。 
悩んだけれど、
車を手放したことや他の理由で、
心ばかりを送ることにして、
手紙を書いてみた。
たくさんのことは書かなかったけれど、
気がかりだったのが妹のこと。
何と表現したら良いかなぁ。
一緒にいても、
バリアの中にいるような。
話の輪の中へは入ってこない。
かと言って、
畑の仕事は、真面目にこなすらしい。
今朝、
姉とのLINEと義弟の電話であれこれを思い巡らせた。
告別式を控えていて、多分ご自宅にご遺体がいる。
ご近所の方がご挨拶にいらっしゃるはず。
それなのに、
水田に行ってしまったとか。
思い切って電話をかけてみた。
義弟が出て、話ができたけれど。
説明をしても、頑固に水田に行ってしまうらしい。
義弟の妻として、
嫁として。
お義母さまをキチンと見送ることが、
妹の勤めではあるけれど。
動揺しているのか、
対応が苦手なのか。
そのことが出来ずに水田へ行くのだろうか?
昼食どきにもう一度連絡をしてみることにした。
姉が言う。
「だからって、私たちに振られても」
冷静になってね。
妹だって、結婚してもう40年近い。
夫もいれば、息子たちもいる。
任せることが大切で、
でも姉として促すことは必要。
生きていると、
大きな節目に遭遇して、
そして対応を迫られるけれど。
妹の気持ちが大切。
長い間共に暮らしたお義母さまを、
キチンとした気持ちで見送って欲しいから。
伝えてみようと思う。
そして、
ただただ畑と水田を、
愚痴も言わず行ってきた妹を、
理解して、
労ってあげたいから。
こんな時ではあるけれど、
義弟に伝えた。
「どうか宜しく、そして落ち着いた頃、
こちらにも来て下さいね」
秋ごろが良いだろうか?
お互いに元気な間に会いたいから。
お義母さまは、
本当に最後まで頑張られました。
ゆっくりと、休んで欲しい。

ありがとうございました。

この記事が参加している募集

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?