オンラインイベント〜お茶に学ぶ生活のヒント〜
休校や休園が続いて対応に終われた1週間が過ぎ、ようやく迎えた週末。仕事もたてこむこの時期、少し疲れを残しつつもワクワクに満ちた表情で朝6時、続々とメンバーがズームにイン。今日はみんなで「お茶に学ぶ生活のヒント」を学びます。
▪︎chiyoda update お茶に学ぶ生活のヒント
▪︎2022年2月5日(土)6:00~7:00(オンラインZOOMにて)
▪︎参加人数8人
今日の企画、茶道を15年以上続けている薫さんからの発案で1年前からあたためていたもの。ようやくの開催に「すごく楽しみにしていた」というメンバーの発言もあり、和やかに会がスタートします。チェックインではそれぞれの茶道のイメージや経験をシェア。身近な家族が茶道を嗜んでいたり、興味があってワークショップに参加したことがあったり…みんな茶道への興味は以前から持っていた様子。一方で「堅苦しそう」「決まりごとが多そう」「なかなか踏み込めない」という声も。何を隠そう今回主催メンバーの一人である私も、自身が茶道を習う前はハードルを感じていた一人です。イメージをはるかさんがグラレコしてくれたのがこちら!
さて今日の60分でイメージは変わっていくでしょうか…!?
続いては簡単に茶道の基礎知識をおさらい。茶道はお抹茶をいただく所作だけでなく生活に根付いた総合芸術であること。わび・さびの考えは日本人独特の感性とも言われていること。わび・さび=Imperfect beauty=不完全なところに宿る美しさ、については千利休や武野紹鴎など歴代の茶人も言及していることなどを紹介していきます。
珠光「月も雲間のなきはいやにて候」
紹鷗「見渡せば花ももみじもなかりけり 浦のとまやの空きの夕暮れ」
利休「花をのみ待つらむ人に山里の雪間の草の春を見せばや」
歴史についても軽く触れたあといよいよ千利休の登場。最近では山口周氏の著書の中でこんな発言も。
私は、千利休を、世界最初のクリエイティブディレクターだと考えています。千利休という人は、歴史上はじめての「ディレクションはするけど、クラフトはしない人」だったからです。(「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?経営における『アート』と『サイエンス』」山口周)
現在に至る茶道の基礎を築いたと言われる利休。彼の述べたことばに「和敬静寂」があり、お茶の心はこの4文字に表される、と言われます。
和=互いに思いやって仲良くすること
敬=互いに尊敬しあうこと
静=見た目も心の中も清らかであること
寂=いつも落ち着いていること
(出典:日本文化の基礎がわかる茶道・華道・書道の絵事典(PHP研究所)
そして茶の湯を学ぶ上で心がけたいことをまとめたのが「利休七則」。
後半では3つのキーワードをもとに、いよいよ茶道と私たちの日常を結びつけてみます。薫さんが用意してくれたキーワードはこの3つ。
先読みの大切さ・柔軟性
アンラーニング
おもてなし
ひとつずつ解説を聞きながら、自分たちの気づきをシェアしていきます。
先読みの大切さ・柔軟性
「茶は服のよきように」
→子どもには熱々のお茶ではなく、お年寄りには薄めのお茶を、など、お客様一人一人の状態を鑑みた上で「美味しい」と思っていただけるお茶を考えて点てることを指す。
→形式よりも、お客様一人一人に心から接する柔軟性が大切であること。
→これを自分たちに引きつけて考えると…子ども、パートナー、同僚、興味関心は100人100通り。自分だけの考えに固執せず多様性を重視する考え方にもつながる。
メンバーの中からは「茶道のお堅いイメージが少し変わってきた」「型をもちながら柔軟に、というのは簡単ではなさそう。でもすごく興味深い」等の発言が。
アンラーニング
「稽古とは一より習い十を知り、十よりかえるもとのその一」(利休百首)
→一から二、三、四と順を追って十まで進み、その次には再び初めの一に戻って 又改めて二、三、四、五と順に進むのである。初めて一を習う時と十から元の位置に戻って、再び一を習う時とその習う人のこころはまったく変わっている物である
→どんな世界であれ、達人と呼ばれる人たちは日々の修練を怠らない。 くり返し行ない身についたものは、やがて無意識のうちにできるようになるが、真の達人は、なにかが身につくたびに新たな学びを発見する。
→例えば、大きなプロジェクトが終わった時や、日々の業務内での議論など。自分が知らないことを取り込んで、次にその要素をどんなところで活かせるかを考える。今までの慣例にとらわれず新しい景色を見るためには、常に何をインプットすべきか、何を課題とすべきかが重要
このキーワードはchiyodaupdateのメンバーでも関心が高く、仕事を振り返って「たしかに大変なプロジェクトのあとって景色がかわるよね」「常に学びつづけることの重要性はライフシフトでもあった!」と盛り上がります。
おもてなし
→一期一会のお客様に、美味しいお茶を召し上がっていただくために様々な準備をする。
軸を選ぶ
お湯を沸かす
炭を継ぐ
お茶碗を準備する
花を生ける
お菓子を準備する
最後のキーワードは生活に引きつけて考えるのが一番スムーズ。「季節を感じることは日常のさまざまなシーンでできそう」「季節の食材を食卓に!そうありたい」と話がつきません。
あっという間の60分。子どもたちが起きてきたり次の予定がはじまったメンバーもいて最後は少し駆け足でしたが遠かった茶道の世界が少しだけ身近になったような気が。そしてその奥深さに「もっと知りたい」「今日の話、もう一度全部聞き直したい」なんて嬉しいコメントも。
本当は第2部としてリアルでお茶会を開催する素敵なプランもあったのですが状況を考えて今回は断念。でも「絶対やりたい」「春にね!」というかたい約束を交わしてクローズとなりました。
茶道のお稽古をすこしお休みしていた自分自身にとってもその魅力に改めて気づくとっても貴重な時間になりました!お茶会が今から待ち遠しい。きっと春もすぐそこですね♪
chiyodaupdate ともこ
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