[アニメ感想] ブルーピリオド:美術の世界。それは暗闇の中を手探りで正解のない答えを探していくものなのか。
正直な感想を書きます。原作を読んでいないので、あくまでもアニメの感想です。
すばらしいテーマなのに、なんだか表面だけのお話になちゃったなって印象でした。
たぶんものすごくカットされてるエピソードあるんじゃないかな。
それくらい、ダイジェスト見てるみたいな感じだった。
この物語は、金髪ピアスで煙草も酒もやる遊び人高校生の矢口 八虎が、ある日偶然、美術室で先輩の油絵を見たことから美術の道へと進んでいくお話。
八虎という人は、アニメ見終わった後でもどういう奴なのかよくわからない。
ヤンキーで夜遊びもするけど人一倍勉強していて、成績もよい。
ひねくれた感じもなく、誰にでも愛想がいいけど、なんか芯がない感じ。
絵の才能もわりと平凡…。
最初は何でこんな奴が主人公なんだろう…って思ってたんだけど、こういう奴だからこそ…なのが最終的にはわかってきて、なるほど…と思った。
そこがでも、なんかずっと引っかかってしまっていたな。
私の母親は美術教師だ。
私自身も絵ばっかり描いている子供だった。
そういう家庭に育った私は、当然自分も美術の道へ進むのだと思ってたんだけど、なぜだか、高校2年くらいに「私は美術の道へは進まない」って思ったんだ。
この主人公と反対…というか同じかな。
高校2年生で方向転換した。
高校の美術の授業は楽しかったけど、美術を学ぶ…ということに何か違和感を持ってしまったのだった。
絵は描きたいけど絵の勉強はしたくない…ってゆうか、私にはできない…って。
「ブルーピリオド」を見て、やっぱり私には美大受験は無理だったろうな…ってヒシヒシと感じちゃった。
原作の山口つばさ氏は藝大出身の漫画家さんなので、ここで語られる予備校などの授業や受験についてはおそらくリアルな感じなのだと思う。
美術素人の八虎に、予備校の先生や美術部の先生がいろいろアドバイスをしたり、何かを気が付かせるために色々やらせたりするんだけど、私にはどれもピンと来なかった。
このピンとこない感じが、私が美術の道へ進まなかった…進めなかった理由に繋がるのかな…なんて思った。
私は八虎みたいに食らいついていけなかっただろうし、おそらく途中で精神が崩壊して脱落していただろう…。
もしかしたら絵を描かなくなってしまっていたかもしれない。
まあ、それはさておき…。
とにかく努力する人、八虎なんだけど、恐ろしいことに絵心がない。
そう、彼には絵心がないんだ。
何枚も何枚も絵を描いて枚数をこなして絵が描けるようにはなっていくんだけど、そもそも絵を描く思考回路を持ってない…。
って私は思ってしまった。
だからどういう絵を描いていいのか本能的にはわからない。
最後まで、なぜ彼が絵を描きたいと思うのか私にはわからなかった。
なぜお前は絵を描きたいんだ!?
何を描きたいんだ!?
それは八虎本人もずっとそう思ってるみたいだったけど。
この主人公を生み出した原作者は絵を描く人なわけなんだけど、八虎の目線で美術を語れるのが本当にすごいなって思った。
このようなお話の場合、主人公が実はすごい才能を持っていた…とかにしちゃいそうなんだけど、あえてそうしてないのが面白いところなのかも。
八虎の美術道、もうちょっと丁寧にじっくり見たかったな。
大学編もやるのかな???
ちなみに私の弟は美大卒なんだけど、これ見たらどういう感想になるのかな…とちょっと気になっている。
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