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タナカ色ってどんな色?<ミャンマー語①>

「タナカ色」「エビ油色」…などなど、ミャンマーにはモノから取った色の名前が沢山あります。日本語で言うところの「藤色」「オレンジ色」のようなものです。今回は、大学でミャンマー語を専攻するなんとも風変りな私がミャンマーの友人から聞いた色の名前についてお話ししようと思います。

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タナカ色 (သနပ်ခါးရောင်)

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そもそも「タナカ」って?
私も初めて聞いたときは日本の「田中さんから取った名前?」と聞き間違いかと思い、何度も聞き返しました(笑)

「タナカ」というのは、木の名前で、水と合わせてすり鉢ですったものを日焼け止めやファンデーションの代替として使われ、子どもや成人女性よく塗るものです。

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アップロードする際に私が以前付け加えていたコメントですが、タナカはミャンマーの方の褐色肌によく映えます。

塗るとメンソレータムのリップクリームのようにスーッとします。実際に美容効果も認められており、最近ではタナカ成分の入ったファンデーションも販売されています。

黄みがかった薄茶色なので、ファンデーションの色の名前として使われることが多いようです。

エビ油色 (ပုဇွန်ဆီရောင်)

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その名の通り、エビの油のような色(笑)
日本語では「すもも色」?

ミャンマーの伝統衣装であるロンジーによくある色ですね。
薄めのオレンジが入ったピンクがミャンマーの方の褐色肌とよく似あいます。

ニベア色 (ရောင်)

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皆さんお馴染み「Niveaクリーム」のパッケージから取った名前(笑)
なんと、ミャンマーでは老若男女に浸透した名前だそうです。

鳥の血色 (ကြက်သွေးရောင်)

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これも確かにそのままなのですが、それを名前にしちゃうかと。。(笑)
他の動物の血ではないのは、きっと鳥が身近だからなのでしょう。

少し余談なのですが、ミャンマーより西は鶏肉、東は中国・日本含め豚肉や牛肉がメジャーでそれぞれそっちのお肉の方が調理方法がしっくり来てる気がします。なんとなくの主観ですが。

きっと宗教観や気候に合わせてそれぞれに合った調理と材料があるんだなーっと思ってます。

マヤン色 (မရမ်းရောင်)

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マヤンディーという果物の種の色です。種の色を名前にするのもユニークですよね。

ヤシの皮色 (အုန်းခွံရော်)

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れんが色 (အုတ်ခဲရောင်)

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(フゲッカーという)鳥色 (ငှက်ခါးရောင်)

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クリーム色(နိုနှစ်ရောင်)

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カーキ色(ကာကီရောင်)

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ウコン・ターメリック色(နနွင်းရောင်)

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虹色(သက်တန့်ရောင်) 

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ဖက်ဖူးစိမ်းရောင်

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チョコレート色(ချောကလက်ရောင်)

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青緑色(စိမ်းပြာရောင်)

…といっても、かなり水色寄りな印象。

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栗色(သပြေသီးမှည့်ရောင်)

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"rich red brown; maroon"
何の果物なのだろう…?

カラスの卵色(ကျီးကန်းဉရောင်)

黒光りしたキレイな青緑色…らしいです。
画像調べたものの、鳥苦手なので画像は割愛。。

ミャンマー魚醤色(ငါးပိအရောင်)

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ものすごい見た目なのですが(笑)、「ンガピ」というミャンマーの魚醤は小エビや魚を発酵・ペースト化したもので、ミャンマー料理に欠かせない調味料。味はイカスミや塩辛のような深みがあり、ピリッと辛く、塩辛いです。
クセがあるだけに日本人で好きな人はごく稀ですが、ハマる人はとことんハマる…ドリアンのような立ち位置です。ちなみに私はドはまりしている派です(笑)

コーヒー色(ကော်ဖီအရောင်)

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海苔色(ရေညှိရောင်)

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Broken Heart色(အသည်းကွဲရောင်)

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サトウキビジュース色(ကြံရည်အရောင်)

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သပိတ်ရောင်

ဆင်ဆွယ်ရောင်

ကြည်ပြာရောင်

အကြည်‌ရောင်

ခဲ‌ရောင်

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いかがでしたか?

日本ではあまり身近でないものや化粧品のパッケージの色がそのまま名前になっていたりするので、なんとも不思議な感じですよね(笑)

ちょっと余談なのですが、ミャンマーでは「青色」と「灰色」を同じ「အပြာရောင်(アピャーヤウン)」で表します。
習ったときは何とも不思議に思ったのですが、米津玄師さんの曲に
『灰色と青』という曲がありますよね。
たまたま今日Youtubeで見ていた時に、ハッとしました。
青色と灰色って何か関係があるのかな、とふと気になりました。

追記:

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言語系ゼミの先生に伺ったところ…
「青色」と「灰色」というのは、昔は同じ括りだったのだとか。
ミャンマー少数民族のチン族の言葉でも、「青色」と「灰色」は同じ言葉だったそうです。
また、「青い」は言えても「灰い」は言えないことから、「青」が先に合ったくくりでその中に「灰色」があったのでは?と。
実質私たちは「緑色」と認識している「青信号」も、青という括りの中に緑があった、と考えると自然ですよね。
括りの範囲が昔と今とで違う…認知言語学が関わっているそうです。

これからもちょくちょくユニークなミャンマー語について書いていこうと思うので、宜しくお願いします^^






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