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[歌は心を豊かにする&自分語り] 大人になったら/GLIM SPANKY:時々立ち止まりたい

どの番組だったか忘れちゃったのですが、みうらじゅん氏がこの曲を紹介していたんです。

大人になったら/GLIM SPANKY

うろ覚えですが、その番組の中で、みうら氏は「この曲を聞いたときに俺なにやってんだろう…って思った」というようなことを言っていました。
(ぜんぜん違ってたらごめんなさいw)

それを聞いて私もガツンとやられてしまったというか、「ああ、そうだった」と思ったのでした。

ボーカルの松尾レミさんは、和製ジャニス・ジョップリンと言われるような魂に直接響いてくる声をしてるんだけど、そんな声で「大人になったら解るのかい?」なんて言われたら、なんかハッとしちゃうわけなのです。

大人のつもりで、ちゃんと解ってるような顔して、私何やってんだろう…って。

猫被り 大人は知らない
この輝く世界がだんだん見えなくなっていくけど
いつか昔に強く思った憧れは決して
消えない消えやしない

あぁ こんなロックは知らない
要らない聴かない君が
上手に世間を渡っていくけど
聴こえているかい この世の全ては
大人になったら解るのかい

作詞作曲:松尾レミ

こっからちょっと自分語り。

ちゃんとGLIM SPANKYに帰ってきますので、長いけどよかったら読んでください。

小さい頃の記憶ってみなさんどのくらいありますか?

私はずっと、自分はこの世界に属する者ではないと感じていて、今の私は仮の姿であり、いつか本当にいるべき場所から誰かが迎えにくるのだと、本気で信じている時期もありました。

スピリチュアル系ともちょっと違います。
ナチュラルボーン中二病です。

物心つくころから思春期の始まりくらいまではこんな感じで幻想の中に意識が行ってしまって、強い印象のものとか楽しいこととかピンポイントで覚えていることもあるけれど、小学校くらいまでは全体的に記憶はぼんやりしています。
たぶん、常にぼーっとしてたのだと思います。

ずっと仲の良い友達などはいたので、人間関係は普通に育んでいたのだとは思います。

何となく圧縮している記憶があるような気もするけれど特に支障はないので追求しようという気もありません。

その反動なのか家庭の状況なのかわからないですが、思春期の間は怒りに支配されていて、とにかくいつも怒ってたと思います。
弟がだいぶサンドバッグになっていてかわいそうだったと思います。壁にも穴あけたりしました。
かといって不良ではありませんでした。ただの情緒不安定なオタクです。

さすがに中学生くらいからは覚えていることも多いです。

女の子たちの同調圧力がいやで、かといってバカっぽ男子もいやで、私は中性になりたかった。同じような友達がいたのは幸いでした。

絵ばっかり描いてたので成績はすこぶる悪かったです。

絵を描いたり作曲をしたり、何かを作ることに没頭しはじめたのもこのころでした。

心は荒ぶっていましたが、私はやっと人間になったというか、人間として覚醒したとか、そんな感じでした。人間ぽい感じ方や考え方ができるようになったような。
自分の精神と世界がやっと自分のものになった感覚です。

幸い、高校からは超絶自由な学校に通っていたので、こんな私ものびのびと精神を解放することができて、私は私でいいのだと思えるようになりました。

高校生の時に安部公房の小説と出会って影響を受けて、私は戯曲や小説を書き始めました。

高校くらいまでは、男女問わず中性的な人に惹かれる傾向があって、自分が男性と女性のどちらが好きなのかあいまいでした。自分のジェンダーもどっちつかずな感じでした。
あんまり男臭い人に好きって言われると嫌悪感を抱くような時もありました。特に性的な目で見られるのが非常に嫌でした。

だけど、ある時、私のことを好きと言ってくれた男の子を、素直に “私も好き” と思えることがあって、触れられても嫌じゃない、いやむしろ触れたい!!! という発見がありました。

それ以来、私は男性が好きなんだと明確に認識し、中性からちょっと女性寄りに自分の意識が移行していきました。

そんなこんなで自由な学生時代を終えて私は社会人になり独り立ちするのですが、自分が必要と思うこと以外ぜんぜんできない、社会に適応できないダメなダメダメ社会人が爆誕してしまいました。

自由な学校って、何してもいいわけではなくて、自分で自分の在り方というか、生き方を決めないといけないのですけど、それが日本の社会と若干ズレがあります。
自由な学校では「しなければならない」ことがないので、何もしないでいると、どこまでも堕落していける世界でもあります。

そんな学校に長年通っていた私は、自分で自分のルールを決めるのが当たり前になってしまって、会社や上司にルールを決められてそれに従わないといけないことがまるで理解できなかったのです。

仕事をきっちりやってるのに、髪型とか服装とか、ビーサンだめとか下駄はいてくるなとか、そういうことばっかり言われる会社に入ってしまって、だんだんアホくさくなってしまいました。

いや、私ただのバイトだったんですけどね。チクッと言ってくる人とかいるんですよ。
言うこと聞かない女を目の敵にするおっさんとかいるのを私は知らなかったし、世渡りも上手ではなかったもんで。

普通に上司に頭突きとかしちゃったりしてました(飲み会の席でね)。

おまけに、このころ初めてまともにお付き合いする彼氏ができたのですが、数ヶ月で酷い別れ方をして、私の貞操観念も滅茶苦茶になったりしました。
今だったらもう少し向き合って愛せたかもしれないと思いますが、後の祭りです。

家に帰りたくなくて街を彷徨っていました。
下戸なのに酒のんでよくゲロを吐いてました。

本人映像:翌朝、血だらけだったり、髪の毛がベトベトじゃりじゃりだったり…

それで夜遊びも嫌になったので、ゲームにはまりだし、家に帰るとゲームばっかりして、ご飯も食べずに徹夜でゲームして、私はいつのまにかゲーム廃人になっていました。

部屋には食べかけのカップラーメンとスナック菓子、煙草の吸殻の山が溢れて行きます。

そして仕事に行けなくなって、会社を辞めてゲームも捨てました。

その後、また職につくのですがこれが絵に描いたようなブラック企業で私の精神は崩壊しました。

もう生きるのがしんどい…ってなったころに、ちょうど「千と千尋の神隠し」が公開されて、友人が見に行こうと誘ってくれました。

「千と千尋」を見ていない人にはなんのこっちゃだけど、自分が属さない世界で自分を失いかけそうになりながらも、信頼できる仲間を見つけてがんばる千尋…。そして最後は最愛のハクが迎えに来てくれる…そんな展開に私は映画館でボロ泣きしました。

私にもハクが迎えにくるんだ…と懐かしの中二病がカムバックです。

ここは、私のいる場所じゃない…。

それでブラック企業はやめて、私はしばらく実家で暮らすことになりました。

その間にずいぶん曲を作りました。

で、半年くらいで引きこもってるのが限界になり、私は再び社会に出ることにしました。

わりと老舗の会社にバイトで入り、再び会社という世界にうげぇ~となりますが、少し世渡りがうまくなり、髪を青くしても何も言われない…くらいには職場に溶け込むことができるようになりました。

まあ、こっからは、相変わらず生活全般ガチャガチャはしているけど特に大きな事件もなく、今の夫と出会ってバンドをやったりして、その日暮らしだけどまずまず安定した精神状態でいつのまにか中年になりました。

バンドでドサ周りして、各地を周り、過酷な現場とかもあったので、精神もだいぶ鍛えられました。まじで修行みたいでした。楽しかったけど。

昔の記事を復活させてないので古い記事がないんだけど、このへんとか。

そうして私も親になって、地域の人と関わるようになって、気が付いたら一般市民みたいな顔をして保育園の先生と話をしている自分がいたのです。

そこでGLIM SPANKYの『大人になったら』です。

もう一度きいてみましょう。

もう、ごめんなさい…です。

大人になったら解るのかい

いや、わかんないよ。
というか、私は大人になったふりをしているだけ。

私の中身は未だ子供のままで、幻想に憑りつかれていた感触が色濃く脳裏に残っているのです。
頭の中は常に妄想でいっぱいです。この世は幻だと今だって思っている。

私、なにやってんだろう…何を大人のふりをして、まともな市民のフリをして何の話をしてるんだろうか…。

私がいるのはそっちの世界じゃないだろう…。

曲を聞きながら私は思い出すのです。

…ここでたぶん、“もっとちゃんと大人にならないと…” と思うところかもしれませんが、私は逆だったんです。

「やばい、つまらん人間になりそうだった!!!」

あぶないあぶない。

ぜんぜんロックじゃなかった。

思い出すんだ!!!!!
私はこっちの住民だったwwww

生活に追われていると、うっかりマジョリティの一員な気持ちになっていきます。
だから私は時々立ち止まります。

振り返って “私とは何だ?” と思い出すのです。

ちなみに、夫はわりと激しい音楽を好むギターリストですので、どっち側の人間かは察してください。
まともでいる必要性を諭したりする家族はうちにはおりませんww
むしろ逆で、真面目に考えすぎると「だせぇww」とか言われます。

というわけで、私は本来自分が属している世界を忘れないように、曲を作ったり、絵を描いたり、物語を書いたり、アニメを見まくったりするわけです。

声質のせいで癒し系とか言われることもあるけど、なんか申し訳なく思うこともあります。
でも私が誰かを癒せるならそれもすごいことだと思って歌っています。


こうして振り返ってみると、なんか大した冒険も苦労もない人生で、自分語りするほどではないかな…と思ってしまうのですが、はたと気が付きました。

そういえば、私、ダウン症の子を産んだんだった!!!

これは結構なできごとですね。
息子を産んだ時の話となると、もはや自分語りではなくなるので、いずれ詳しく語りたいとは思っています。
壮絶だけど意外とコミカルで面白いんですよ。


なんか支離滅裂ですが、、、

蒼龍 葵さんの『歌は心を豊かにする』と
みくまゆたんさんの『自分語りは楽しいぞ』を
ダブルで書かせていただきました。

みなさんも、心を豊かにしてくれた歌や、自分語りしてみてください。
私はいろんな人の自分語りを聞いたり読むのが好きです。

人の人生って本当にいろいろあってすごいんですよ。

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