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団子職人の異常な日常 下


1分小説
この物語は2章構成になっています!

第二章:真実の回収

翌日、一郎は店で普段通り団子を作っていたが、心の中は昨日の出来事でいっぱいだった。その時、店の扉が再び開いた。入ってきたのは昨日の黒田ではなく、若い女性だった。

「こんにちは。みたらし団子を10本ください」と彼女は言った。

一郎は団子を用意しながら、ふと疑問を感じた。「昨日の夜のことを知っているのだろうか?」

女性は団子を受け取り、微笑んで店を出た。彼女が去った後、一郎は何かがおかしいと感じた。彼はすぐに黒田に連絡を入れた。

「黒田さん、今朝若い女性が団子を買いに来ました。何か気になることがあって…」

黒田は一瞬黙った後、「その女性の特徴を教えてください」と尋ねた。

一郎は女性の特徴を説明し、黒田は深く頷いた。「彼女が犯人の可能性があります。すぐに動きます」

その夜、再び見張りを続ける中、一郎は不安を感じていた。しかし、黒田の計画はしっかりと準備されていた。深夜、再び物音が聞こえた。

「来たか…」一郎は心の中で呟いた。

黒田は冷静に動き、裏口に向かった。そこには、また同じ影が現れた。黒田は素早く影に近づき、捕まえた。

「動くな!」黒田は叫び、影の正体を明かした。そこには、昨日の女性が怯えた表情で立っていた。

「なぜこんなことを?」一郎は尋ねた。

女性は涙を流しながら答えた。「私の家族が病気で、高額な治療費が必要だったんです。団子を売ればお金が手に入ると思って…」

黒田は深いため息をついた。「その気持ちはわかるが、犯罪は許されない」

一郎は考えた後、優しく言った。「私たちが助けます。治療費の一部を負担します。でも、もう二度とこんなことはしないでください」


女性は涙を拭い、感謝の言葉を口にした。「ありがとうございます。本当に感謝します」

こうして、団子盗難事件は解決し、「みたらし庵」は再び平和を取り戻した。黒田と一郎の友情も深まり、町は再び笑顔に包まれることになったのだった。


終わり


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