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国道4号「盛岡南道路」を探る(1)どこを通る道路なのか

岩手県盛岡市の南側に「盛岡南道路」という、国道4号のバイパス道路ができそうだ。

行政資料によれば、盛岡市永井から矢巾町の大学病院付近まで、約7kmの道路ができるのだという。今の風景からは考えられない。完成したら多分使う。というか、かなり使うことになると思う。

工事への準備が本格化する「事業化」の見通しが立ち始めた2022年3月。より詳細な予定線が、国土交通省の地方機関のウェブサイトに掲載された。まだ、何も「本決まり」ではないし、何年後に完成するかも分からない道路だが、この予定線を辿ってみたくなった。

これから何回かに分けて、そう遠くない未来に現れるであろう盛岡南道路について、現地で撮った写真と引用資料を織り交ぜながら拙文を綴ろうと思う。とてもマニアックな世界だが、お暇な方はお付き合い頂きたい。

詳しい予定線が公開された

国道に振られている番号が1桁〜2桁の場合、大抵の場合は国が管理している。3桁だと都道府県や政令指定都市が管理していることが多い。国道4号は1桁だから、国の管理。道路関係だから、省庁で言うと国土交通省が管理している。

国土交通省も、大きな会社みたいに地域本部とか、支社支店みたいなものがあって、仙台に「東北地方整備局」という機関がある。各県に何個かある「河川国道事務所」の上位にあたる機関だ。

3月10日のこと。仙台の東北地方整備局で「社会資本整備審議会 道路分科会 第37回東北地方小委員会」なる会合が開かれた。工学系の専門家や観光関係者を集めたこの会合は、どうやら「これから本格的に取り組もうとする道路事業について、役人が説明し、専門家などから意見を聞く」という目的らしい。

前置きが長くなってしまったが、この会合に合わせてサイトに公開されたのが、盛岡南道路の予定線だった。実は、何年か前から「このエリアに道路を通したい」レベルの図は公開されていたのだが、今回公開されたものほど詳しくはなかった。

こんなルートを通るらしい

以下は、東北地方整備局サイトの公開資料から引用した予定線の図である。

http://www.thr.mlit.go.jp/road/ir/shouiinkai/touhoku38.html 国土交通省東北地方整備局道路部 「社会資本整備審議会 道路分科会 東北地方小委員会(令和3年度) 第37回(令和4年3月10日)配布資料『資料3 一般国道4号 盛岡南道路』」より一部引用

この図は北が右である。右が盛岡市街だ。中央の少し右側が岩手飯岡駅、少し左側にあるのが矢幅駅だ。

実際にどんなルートになるか、盛岡から矢巾に向かう順で、大雑把に説明する。ローカルな言い回しがあるので、詳しくない方はモリオカンに聞いてみて欲しい。田んぼが多い辺りで分かりやすい目印が無いのだ。

  1. 西バイパスは現在、南インターの通りにぶつかって終点になっているが、それに続く形で盛岡南道路がそのまま真っ直ぐ始まる

  2. 卸売市場と南公園野球場の間を通って、小高い丘の上に登る

  3. 岩手飯岡駅から流通センターに行く通りと、志和や石鳥谷に向かう県道120号との信号交差点の辺りに至る

  4. そこからしばらく、石鳥谷に向かう真っ直ぐな県道120号とほぼ同じルートを辿る

  5. 矢巾スマートインター近くのファミマ(最近まで橋の工事していた辺り)の手前、ビレッジハウス(旧雇用促進住宅)を過ぎた辺りで左にカーブ

  6. 矢巾北中学校の南東でJR東北本線と東北新幹線をくぐる

  7. 田園風景の中をそのまま東進。右手に大学病院が見える

  8. 4号線が近づいたところで右にカーブし、「消防学校入口」という交差点の辺りで現在の4号線に合流。矢幅駅入口(矢巾口)交差点の手前に到着

このルート、文章で説明するのがものすごくしんどい。
ともかく、上記のようなルートを進む予定線が引かれているのだ。

意外なカーブと直線の形

渋民のバイパスが出来た時、緩やかなカーブが心地よい道路だと思った。花巻の新しいバイパスが全線開通した時も、ゆったりした線形で走りやすいと感じた。平成にできた道路は、運転がとてもラクだ。

盛岡南道路は令和の道である。お国が作る道路だ。走りにくい訳はないと思うが、予想以上にダイナミックなルートの取り方だ。ダーっと直線が来て、ドーンとカーブがくる。川久保から上堂に至る現在の4号線のような単純な形である。もっとも、広さや安全性は段違いだと思うけれど。

「何か理由があってこのルートになったんじゃないか」

なぜか、技術屋でもないサラリーマンがそんな疑問を持ってしまい、
自転車に跨って調査を始めたのである。
次回、現地で見つけたものを少々ご紹介したい。

ここから、右前方向じゃなくて、本当に真っ直ぐ進む道路ができるらしい…

第2回に続く


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