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あの指に帰りたい

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バリキャリお姉さんと若妻のレズビアン小説です。処女作ですので、読みづらい部分多々ありますのでご了承くださいませ。
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あの指に帰りたい ~薫の場合①~

あの指に帰りたい ~薫の場合①~

彼女が学校に来なくなってから、もう1週間経っていた。

薫のバイト先の居酒屋と彼女のバイト先のカラオケ店が近いこともあって、上がり時間が近くなるとメールのやりとりをして自転車で一緒に帰ることが多かった。

だけどあの日は、週末ということもあって薫のバイト先の居酒屋も繁忙日で、バイトが終わって携帯を開くと、早く終わったから先に帰るねと彼女から短い文面のメールが入っていた。
返事できなくてごめんという

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あの指に帰りたい~優季の場合③~

あの指に帰りたい~優季の場合③~

夕方から雨が降りだした。

優季は由希さんに断って店の予備の傘を1本借りてから足早に外へ出た。今だったらいつもより1本早いバスに乗れるかもと思って、歩道橋を駆け上がった。一瞬、さっきまで落ち着いていた雨脚が強くなった。車のライトに照らされた雨の糸が、こちらまでその黄色い光を引き上げてきてくれるような、届けてくれるような、そんな気がした。

歩道橋を降りていると向こうからバスが来るのが見えた。急がな

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あの指に帰りたい~優季の場合②~

薫さんのマンションはうちからさほど遠くなく、歩いても二十分ほどのところだった。
一人暮らしとは思えないほど広くて、家具もモノトーンで落ち着いたデザインだった。
物はあまり持たない主義なんだろうか。生活に最低限必要なものしかないからか、広い部屋がより一層広く見えた。

「暑かったねー。優季ちゃんアイスティーでもいい?コーヒー切らしちゃってるの忘れてたの。」
薫さんはエアコンの温度を下げながらキッチン

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あの指に帰りたい~優季の場合①~

あの指に帰りたい~優季の場合①~

彼女は何を見ているのだろう。
海の見える小さなカフェ。
必ず毎週土曜日の同じ時間に窓際の同じ席に座って。

スマホを触るでもなく本を読むでもなく、いつも窓の外の同じ方を見ていた。
年の頃は三十代くらいだろうか。いつもデニムにTシャツとシンプルな服装だったが、どこか洗練された大人の女性の気品をまとっていた。

綺麗な人だな・・芸能人の誰かに似てる気がするんだけど、何だっけ・・あのドラマに出てたあの・

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