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彼は家の中

彼女が仕事から帰ってきた。
彼女はひどく疲れた顔をしていた。
「何かあったのかい?」
「仕事でミスしちゃった」
彼女はそう一言だけ呟くと、
そそくさとご飯を作り始めた。
私は何も言わず隣に寄り添った。

少ししてご飯ができた。
できたご飯を一緒にいただいた。
暗い顔をしながらも彼女はきっちりとお皿を洗い、
机の上の花瓶、器の水を新しいものに入れ替えた。

ちゃっちゃと片付けを済ました彼女は
シャワーを浴びに向かった。
顔が濡れた彼女に
「今日は一緒に寝よう」
そう声をかけた。
「そっとしておいて」
ため息を吐くように彼女は言った。
寝る前の支度を済ませた彼女。
「頭が痛い、明日は雨かな」
そう呟いた彼女は、しばらくじっとしてからいつも飲んでいる薬を飲んだ。
「ありがとう」
私の目を見てそう言った彼女は、ベッドに入り静かに眠りについた。私もそっと彼女の横に寄り添って眠りについた。




ある日の朝、私は目を覚ました。
彼女はいつ目を覚ますのだろうか。


とてもお腹が空いた。
私は大きなご飯にかぶりついた。

#猫は家の中

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