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保育園での就学準備、みんなで本の読み合わせ

「グリーンフィールド上野毛保育園」は世田谷区にある認可保育園です。
0歳児から5歳児までの45人の子どもたちと過ごしています。

『小学生になったらどうするんだっけ』

年長クラスになるとお昼寝する子どももほとんどいなくなります。
お正月が明けてから、他のクラスがお昼寝する時間を利用して『小学生になったらどうするんだっけ』という本を年長クラスのみんなで読み合わせをして、就学前準備の授業なようなことをしました。

机とイスにみんな座って、子どもが交代で本を読みます。
他の子どもは読んでいる文字を指でなぞりながら静かに聞きます。
きちんとイスに座っていて、わかっていない子がいたら小さな声で教えてあげたり。
小学校に上がれば普段の教室の光景ですが、これを45分(1時限授業の時間)続けるのは子どもにとって難しいことです。
(保育園では練習なので20分程度です。)

はじめたばかりのころは、はずかしくて読みたがらない子がいたり、ずっと座っていられなくて椅子をガタガタしたり、姿勢を保っていられなくて途中でテーブルに突っ伏したりしていました。
少しづつ続けているとみんな声を出して音読がでるようになりますし、先生がお話ししていたり、他の子どもが発言していたら、発言が終わるのを待ってから自分の意見を言います。

絵本などの読み聞かせや絵日記などの制作で、子どもたちは程度の差はあれ文字の読み書きができるようになっていることがほとんどです。
小学校では1年生は文字の読み書きができないという前提で教えてくれますので、学習の遅れについては心配はありませんが、学習以外の習慣について事前に慣れておけば、子どもたちも小学校に早く馴染めるのではないかと思っての活動です。

先取りのドリル学習などはやらないことに

以前、就学前用のドリルを子どもにさせたことがありましたが、今は行っていません。

まだこのころの子どもたちは純粋に学ぶことが楽しくて大好きです。
ドリルを与えれば楽しんでどんどんやりますが、ちょっとできなかった瞬間に苦手意識が芽生えてしまうことがあります。
必要のないことにつまずいて苦手意識をもってしまうより、「学ぶことが好き」という気持ちをを伸ばしてあげたいなと思っています。

おうちの人にお知らせを渡す練習

小学校で行うのは授業ばかりではありません。
保育園と大きく変わる点として、学校からの連絡を子どもを通じて保護者にお知らせするということが挙げられます。
そこで、音読の授業の時には子どもにプリントを渡しています。

・プリントに自分の名前(自分のマークでもOK)を書く。
・プリントを連絡袋に入れる。
・おうちに帰ってから、おうちの人にプリントを渡す。

練習なので、渡しているプリントの内容はたいしたことではありませんが、小学校に上がった時にプリントの紛失はよく起こる問題なので、ここ数年続けている訓練です。

「なんで勉強するんだと思う?」

無理がないようにゆっくり進めていたので、『小学生になったらどうするんだっけ』をすべて読み終わるまで、1か月以上かかってしまいました。

本を読み終わった時に、保育士から「なんで勉強するんだと思う?」と、本の内容もからめて質問しました。
子どもたちはたくさん自分の考える答えを発言してくれました。恥ずかしがらずに自分の意見が言えるのはすごいことです。
子どもたちの発言をひとしきり聞いた後、保育士が「答えは人によって違うよ」言うと、子どもたちからはブーイングがおきました。


上野毛