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お絵かき・ひらがな、子どもに苦手意識を抱かせないための試行錯誤

「グリーンヒル奥沢保育園」は世田谷区にある認可保育園です。
0歳児から5歳児までの定員は50名です。

子どもが成長してくると、いろいろなことに得意不得意が出てきます。

やれ「足がはやい」だとか「お箸の持ち方が上手」だとか、大人は気を揉んでしまいがちですが、まだ小さい子どもですのでできないことは全く悪いことではありません。

ただ、子どもの中で苦手意識が芽生えてしまわないように気をつけています。

お絵描きを嫌がる子どもの様子をよく観察すると

お絵描きは子どもに人気のある遊びのひとつですが、苦手だと感じている子どももいます。
あるお絵描きをしたがない子どもを保育士が観察してみると、お絵描きをする際に腕を全部浮かせて肩と肘の力を使って描いていました。
ちょっとやってみるとわかりますが、大人でも腕が疲れますし、細かい作業が難しくなります。嫌がるようになるのも無理はありません。

しかし、子どもに体の使い方を説明しても理解するのは難しいでしょう。
お絵描きをたくさんしてもらって、失敗を繰り返して体の使い方を体得した方が良さそうです。

お絵描きをしてくれるように気分を乗せるにはどうするか考えて、ポケモンが大好きな子だったので、ポケモン絵を描いた小さなぬりえを作って渡しました。小さく作ってあるので、腕首と指先をうまく使わないと上手に塗れません。

保育士の作ったポケモンのぬりえをとても喜んでくれて、何度も何度もぬりえを塗ってくれたおかげて、腕首と指先で力の使い方のコツを掴み、お絵描きもだいぶ上手になり、お絵描きを嫌がるようなことは無くなりました。

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ステンシルもお絵描きに苦手意識を持っている子どものきっかけ作りにおすすめです。

文字の読み書きができるように促す工夫

また他に、年長クラスに文字の読み書きを嫌がる子どもがいました。

子どもによって発達の程度は異なりますし、保育園の子どもが文字をたくさん読めたりきれいに書けたりする必要はありませんが、文字の読み書きに対して苦手意識を持ったまま小学校に上がってしまうと、せっかく小学校に上がっても、授業をつまらないと感じてしまうかもしれません。

苦手な文字を楽しく感じてもらえるように保育士たちも考えて、その子が一番気に入っている保育士からお手紙を書いて渡しました。
するとお手紙のお返事を書きたくて、一所懸命「だいすき」と書いてお返事を返してくれたのでした(お返事を渡す保育士に文字の書き方を教えてもらっていたのも微笑ましかったです)。

何度もお手紙の交換していると、その子から「字が書けない」という苦手意識がいつの間にか無くなっていました。

子どもの意欲が一番大切

人間だれしもそうですが、自分が心から「やりたい」と思わないと新しいことは覚えません。
叱ったり強制しても、むしろ状況が悪くなることの方が多いでしょう。
苦手意識が芽生えてなかなかチャレンジしてくれない場合は、興味が沸くように、好きなことと結びつけたり、いろいろ別のアプローチを試みます。

子どもが色々な経験を重ねてゆくうち、自分で「やりたい」という気持ちが芽生えたら、そのタイミングで周りの大人がスッと補助ができるように、子どもをよく観察していることが大事だなと思います。

焦る気持ちもありますが、いつか必ずできると信じています。


奥沢