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JVC HA-FW01 レビュー



久々の有線イヤホン。

この製品にしたのは、下手にSHUREとかに手を出すと、上を見ればきりがない沼が待っていると思われたこと、ビクターのウッドコーン路線についてはピュアオーディオと先日のTWS(Bluetooth無線接続イヤホン)、HA-FW1000Tですでに信頼感があること、値段が手頃であるにもかかわらずレビューでの評価が高いこと、リケーブルにも対応していることがあった。



まずはPCへの接続。USB外付けのifi nano HDと、Realtek High Definition Audioを24bit、194kHzで設定したものの両方で試している。


まずは16Hz-20KHzの純音の段階的再生だが、どの周波数の場合も付帯音なし。周波数全体の流れからみても自然な音量変化。ホワイトノイズ再生を含めて美しい音である。
この段階で一応エージングに必要なしと判断したが、音がビニールでラッピングされているような傾向は感じた。


ハイレゾの「うっせぇわ」「うまぴょい伝説」をSony Music Centerで再生。非常に中身の詰まった、低域も引きしまった、幅広いかまぼこ型の音で、ステレオ感も広大であると感じた。この点ではHA-FW1000Tの方が箱庭的にまとまっているように思えた。


引き続いてiTunesの再生を24Bit 192kHzに設定して、ロスレス音源をアップコンバートして聴いてみた。


恒例のワルターの「巨人」は、広帯域感はあるが平面的ではあり、もっと音の複雑な折リ重なった陰影は欲しいかなと思った、この点ではHA-FW1000Tの、まるで黒檀から削り出したかのような立体感には乏しい。音の開放的なほとばしりのようなものはないが、決してこもってはいない。あいかわらずビニールでくるまれたような音ではある。



デジタル系。カラヤン/ウイーン・フィルのニューイヤーコンサート。ラデツキー行進曲の冒頭の小太鼓が予想外にドスンとくるのはHA-FW1000Tと同傾向、しかし広帯域感はあるがHA-FW1000Tの方がライブ的生々しさと立体感はある気がする。



そしてこれまた恒例、私の所有するCDで最も高ビットレートな相川七瀬のアルバム"ROCK or DIE"だが、非常にいいバランスで見通しもいい。低域も引き締まっているが、ベースラインの鮮明さはHA-FW1000Tの方が秀でている。



続いてはandroidのoppo neno 5Aのミニジャックへの直差し。音が若干ドンシャリにはなるが、PCでの平面性に比べれば聴きやすくはある。


更にiPhoneへ短い変換ケーブルを介してつなぐ。これは音の角はとれるがいい意味で艶めかしいバランスの良い音である。ある意味ではこれまでのすべての接続法で現状ベストかもしれないが、この装置本来の個性が消されている気もする。


全体として、彫塑された立体感と生々しさではHA-FW1000Tの方が勝るし、間接音成分の乏しさを感じるが、広帯域な音の余裕という点では本機が勝る。


エージングの可能性もあるが、むしろリケーブルがおもしろそうである。Amazonのレビューを参考にすれば、もう少し輝きと高域の抜けは欲しいので銀とOFCのハイブリッドなどがいいのではないかと予感する。


また、ロスレスファイルの場合に音が単純過ぎるのに対して、ハイレゾだと一転して、中身のつまった情報量の多い音になるとも感じる。ハイレゾ対応がいい機種ではなかろうか。


SHUREなどの方が、もっと複雑な鳴り方をしてくれそうな気はしますが、とりあえず気にいった音ではあります。

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