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地下室の猫を拾う

マザー・グースの中に、猫殺しの詩がある。Ding, Dong, Bellってタイトルで、悪ガキが子猫を井戸に放り込んで溺死させる話。

Ding, dong, bell,
Pussy's in the well!
Who put her in?
Little Tommy Lin.

Who pulled her out?
Little Johnny Stout.
What a naughty boy was that,
To try to drown poor pussy-cat.
Who never did him any harm,
But killed the mice in his father's barn!

ディン、ドン、鐘の音が鳴る
子猫が井戸に落ちてるよ!
だれがこんなことしたの?
トミー・リンって悪ガキさ

だれが子猫をたすけたの?
ジョニー・スタウトって子がやった
なんてひどい子なんだろう、
哀れな子猫を溺れさせるなんて
いたずらなんかしてないし、
父さんの納屋でネズミを駆除してくれたのに!
(適当なチカゼ訳)

ちょっと和訳に自信がない。興味がある方はググってみてほしい、もっとマシでもっとセンスのあるやつがわんさか出てくると思うから。

今更ぼくが説明することに意味なんてないだろうけど、マザー・グースって基本的にどの詩もいろんな解釈があって、このDing, Dong, Bellって詩も例にもれずさまざまな読み方があると思う。でもぼくは、井戸に落とされた子猫はジョニーが引き上げたときにはもう、手遅れだったんじゃないかと考えてる。最初に「鐘の音が鳴る」って書いてあるし。

いたずら半分で殺されていった子猫たち、その骸。そういうものがぼくの中の地下室──井戸ではなく地下室には、未だごろごろと転がってる。自分自身の手で、ぼくの猫を拾いたい。心臓マッサージをして息を吹き返させて、そのあとていねいに湯につけて、ドライヤーで体を乾かしてやりながらブラッシングをして、そしてきれいになったそれらのお腹に顔を埋めて、思いっきり匂いを嗅ぎたい。きっと引っ掻かれてしまうこともあるだろうけど。

そういう気持ちでここ3年ほど、ものを書いてきた。

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1,323字
ぼくの地下室にも、あなたの地下室にも、理不尽に傷つけられて息も絶え絶えになった猫がいると思う。その猫たちを一緒に拾い上げ、慰撫する場所になったらいい。

地下室の猫を拾い、ほこりを払ってブラッシングして、頬ずりしたりお腹に顔を埋めて匂いを嗅いだりする文章たち。

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