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【読書感想】超常現象の科学-なぜ人は幽霊が見えるのか-

著者:リチャ-ド・ワイズマン 訳:木村博江

まず、この本を読みたいと思った訳を聞いてほしい。

「幽霊を信じますか?」
唐突にすみません。
訳を聞いて欲しいと頼んだ後に、キモイ質問をしてしまいました。

改めて
「幽霊を信じますか?」
皆さんはどうでだろうか。
信じる人もいれば、信じない人もいるだろう。
私は、そんな二元論は毛ほども興味ない。
ホント申し訳ない。質問しといて話を即終わらせるようなことを言ってます。
情緒が不安定なわけでもないです。
だって、この記事を書くにあたって、自分なりに何度も読み返し、
校閲してますから。
ということは、素でやばいやつなのでは?
話がそれました。ごめんなさい。
話を戻しましょう。
幽霊の存在については誰しも考えたり、友達、恋人などと話したりしたことありますよね?
しかし、この本の著者の切り口はかなりドラスティックな切り口だ!

副タイトルが答えである。「なぜ人は幽霊が見えるのか」
ネタバレしてて申し訳ない。ここに痺れて憧れてしまい購入。

とても魅力的な問いである。
「なぜ人は幽霊が見えるのか」
信じる派の人には申し訳ないが、この副タイトルは幽霊が見えて当然という意味ではないことを先に弁解しておく。
これは「人がなぜ幽霊が見えたと感じるのか」という意味であり、
そのメカニズムに迫る本なのである。
私たちが、今まで様々な人と会話してきた幽霊を信じるか信じないかという問いは、どこか独りよがりなものであったことをことを気づかせてくれた。
また同時に、ありきたりな疑問を、見方、角度を変えるだけで、こんなにも魅力的でワクワクする疑問に変えるなんて、すごい。なんて素晴らしい!

「おら、ワクワクしてきたぞ」(CV:野沢直子)

ちょっと待て、この手の本は意外とサブカル本によくありそうだ思ったそこのあなた、もう少し我慢して読み進めてほしい。
昨今のテレビ番組等のメディアが取り上げなくなった心霊番組や、カストリ雑誌のような内容ではない。
著者のワイズマンは英国の大学教授であり(ここで権威を見せつけて信憑性を一つまみ)、取り上げる超常現象はかつて実際に起きた事件について取り上げており、その現象を科学的に解説した本であることをわかっていただきたい(エビデンスに基づいてるよ)。
参考文献や参考動画までも紹介しており、人が超常現象を体験してしまう理由を、各章の間に実験の解説付きでひも解いてくれる。
学術的な要素がある本だが、何一つ昔い要素はない。普段専門書読まない私でも、何なく読み進めることができたので、そこはお墨付き。

ワイズマンは幼少期にマジックにのめり込んでおり、人を驚かせることが好きだったそうです。そのため非常にサービス素精神が旺盛な人物であり、本の文章も、一つの大きなショ-を魅せてくれているような錯覚を起こしてくれます。繰り返しになるが非常に読みやすい。
幼少期はマジックを使い人々を楽しませたワイズマンは、大人になって、ある意味マジックを解説する側になったと言ってもよい。

マジックを極めているため、人が錯覚を起こす仕組みを熟知しており、だからこそ、不思議な現象に対して冷静に分析し、この本を記すことができたのだろう。

ワイズマンはもしかすると世の中の超常現象をマジックとして見ていて、その仕組みを知ることで、幼少期にのめり込んだ体験を今もなお、追い求めているのかもしれない。

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