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本の紹介 上野誠「おもしろ古典教室」

上野誠「ちくまプリマ―新書033 おもしろ古典教室」(2006)筑摩書房


上野誠(うえのまこと)さんは、奈良大学の教授で、万葉集研究で知られている方です。メディアにもたびたび出演する、親しみやすくわかりやすい解説で人気の研究者です。

この本は、その上野さんの自伝的なお話とともに、身近な話題から古典の世界に入っていきます。

まるで上野さんの講義を聴いているような、軽快で親しみのあり、余談も多く含まれる豊かな本になっています。

それもそのはず。この本は、高校生たちに向けて出張講義をしたものがベースになっているそうです。まさに、限られた時間で、高校生たちに古典に親しんでもらうにぴったりのトピックスにあふれています。


構成は次のようになっています。

第一章 古典を読むと立派な人になれるというのは間違いだと思います
第二章 こんな生き方したいと思ったとき
第三章 読むとこんなことがわかる、なんの役にも立たないけど
第四章 人は遊びのなかに学び、時に自らの愚かさを知る

まさに、上野さんのメッセージがつまったタイトルですね。とても本質的なことが込められていると思います。


なんとなく古典という世界に興味があるものの、その世界にハードルを感じている方に、まず読んでいただきたい本のひとつです。



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