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誕生日

今日は42歳の誕生日。
いつもなら自分の誕生日を忘れがちなのだが、今年は節目でもないのに結構意識した気がする。年初に父を亡くしたせいかも知れません。

父に対する気持ちは複雑で、ずっと尊敬しながら嫌っていた気がする。父は才能があり、学問・政治・ビジネスどの分野でもそれなりに成果を出していながら、性格は頑固で人の話を聞かない。でいながら、人を惹きつける魅力のある人間だった。多くの友人に囲まれていたが、家族としては迷惑千万。大腸がんと診断された後も、治療に協力せず5年生存率が7割を超える現代にいながら、2年そこそこで亡くなってしまった。

それにしても人間はいつ頃から死を認識し、自分もいつか死ぬことを理解するのだろう。長女は4歳になるが、死ぬとパパ、ママに会えなくなることを知っている。でも本当に理解しているようには思えない。

自分の記憶をたどると、最初に死に関する記憶はやはり父とのエピソードになる。あれは多分私がまだ小学低学年の頃だと思う。父は若い時に幽霊は本当に存在するかを確かめるため、幾晩もじっと墓地を見続けたと話してくれた。自分は死んでも違う世界で生き続けられる確証がほしかったようだ。おぼろげながら、あんなに偉大で強い父も死ぬのは嫌なんだなと思った記憶がある。

今年は父の他界に加えて、新型コロナの影響、さらに著名人の自殺も相次いて報道され、特に死を意識させられることの多い1年だと思う。私も男性の平均寿命からするとすでに人生を折り返しており、自分もいつかは死ぬのだなとふっと思うようになったりする。

なんだか湿っぽい内容になったが、誕生日の日に生と死について綴ってみた。幸いなことに家族にも恵まれ、幸せな日々を過ごしている今日この頃。42歳の年も頑張って良い年にしたいし、貪欲にやりたいことをやっていきたい。2020年も残り2ヶ月、21年はみんなにとっても良い年になると良いな。

一生は短い、父の酒好きを毛嫌いせず、もっと一緒に飲んでやれればよかったな。


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