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90年代後半~00年代ハウス・ミュージック(1):備忘メモ

音楽配信サービスや過去に購入したCDやらレコードのおかげで、一生かかっても聴ききれないと思われるほどの楽器を聴ける環境にある。
新たな感動を求めて新曲を探すけど、そうすると古い曲を聴かなくなって気が付くと記憶からも消えていってしまう。
私にとって思い入れの深い90年代後半~00年代のハウス・ミュージックは、気付いたら消えていなくなっていたというトラックメーカーやプロデューサーがたくさんいた。
それは時代と共に廃れがちなジャンルだからこそで、意図的に思い出さないと忘れがち。だから埋もれさすには惜しい曲を備忘のメモとして残す。

Opium Scumbagz/Olav Basoski

Samplitudeシリーズでお馴染み、オランダのプロデューサーOlav Basoskiによる2000年のリリースのシングルは、UKのレーベルDefected Recordsから。

硬いピアノの音や、スキャット、せわしないパーカッションなどが印象的なブラジルっぽいノリの暑苦しいラテンハウス。下世話な感じもするけどセンスの良さも残っていて、きちんと盛り上げてくれる絶妙なバランス感が好き。
この曲はDefected Records以外の他レーベルからもリースされているので、それなりに売れたはず。


It Will Come To Pass/Kerri Chandler

『Street Musiq 2.0』という4曲入りの12インチに収録されていた曲で、レーベルはシカゴにあるLarge Recordsから2003年にリリース。

クラシックなハウスがいかにも定番という感じ。シカゴのレーベルという先入観のせいか2000年代にしても少し古臭い印象があって、ジャンル的にはガラージュっぽいとも言える。
ウネるようなオルガン、ベースのように鳴る低音のピアノ、そしてソウルフルな男性ヴォーカルになんとも言えないグルーヴがあってこんなの踊るしかない。
他3曲はジャズっぽいディープ・ハウスといった感じでどれもクオリティが高い。


I Need Your Love ('Friends With Girls' Vocal Mix)/The Rapture

The Raptureの曲をEwan Pearsonがリミックス。2004年のリリースでレーベルはOutputから。

Luke Jennerによる存在感のある切ないヴォーカルと、怪しいシンセサウンドの組み合わせがクセになる。
時代的には、エレクトロクラッシュが流行っていた頃の曲だと思うのだけど、パンクっぽさがそんなに濃くないから時間が経過しても聴ける。なによりEwan Pearsonのセンスの良さが光る。
(YouTubeにアップされていないためリンクを貼れなかった)


No Cream In The Monkey Fort/Jacob London

Brit HansenとDave PezznerによるユニットJacob Londonによる3曲入12インチは、2004年のリリース。レーベルはサクラメントにあるDoubledown Recordingsから。
ノリのよいテックハウスは、人の掛け声や動物の鳴き声などをサンプリングした様々な音が挿入されており、緩急もあってなんだか楽しげ。
後半には加工されたヴォーカルも入って徐々にテンションが上がってくる展開がGood。適度にイケイケな感じも好き。


P.A.G.O/Jacob London/Re.Doit.Stone.Funk.Collective

4人の異なるプロデューサーによる4曲入りの12インチ『This Is Your Machine』に収録されていた曲で2003年のリリース。レーベルはUKのBear EntertainmentのサブレーベルとなるHairy Clawから。

浮遊感のあるシンセといい感じの疾走感が踊れる。ユーモラスなカバーデザインのイメージと異なる渋めのハウスだと思う。
Re.Doit.Stone.Funk.Collectiveというのは、イタリアを拠点に活動するDario Bedinという人の変名とのことらしいけど詳細は不明。
他3曲は渋めで電子音がグイグイくるブレイクビーツぽっくてこれもなかなか好き。


Treat Me (Pooley's Vocal Mix)/Zoo Brazil Feat. Emma

スウェーデン、ストックホルムを拠点に活動するZoo BrazilがシンガーのEmma Holmgrenをヴォーカルに起用したシングルは、2005年のリリース。レーベルはPooledmusicから。

リミックス違いが4曲収録されており、オススメはIan Pooleyのリミックス。
哀愁の漂うメロディーに少し枯れた感じの女性ヴォーカルが特徴的な歌モノハウスで、ノリのいいリズムと適度な揺れのあるシンセサウンドが心地よい。


N.P2.2/Flare

Ken Ishiiの別名義Flareの3曲入りの12インチは1995年のリリース。レーベルは日本のSublime RecordsのサブレーベルとなるReel Musiqcから。

グルーヴ感や陶酔感はいかにもKen Ishiiといった感じで、完成度が高いから飽きない。ジャンルはテクノになると思うんだけど、こもった電子ピアノのような音が少しハウスっぽいから、ハウスと一緒にミックスしても違和感無いと思う。
(リンクを貼ったYouTubeは、DJ Mixの抜き出しなので曲の前後に、他の曲が少し被っている)


The Power/Karizma

メリーランド州ボルチモア出身で、元The Basement Boysのメンバーとなる、Chris Theadore Claytonのユニット、Karizmaによる1999年リリースの曲。

ジャズっぽいピアノの音色が印象的なディープ・ハウスで、美しいメロディーとハウスのグルーヴとの調和に大人の雰囲気が漂う。

私が入手したのは、2004年リリースでBlack Vinyl Recordsからリリースされた「Re:Cuts Volume 4 Black Vinyl Deep」という3曲入りの12インチだったのだけど、他2曲もいい感じのノリで踊れるディープ・ハウスでクオリティが高い。

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