![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/9669917/rectangle_large_type_2_91278a9dc8a7022dfc17237153ccdc80.jpg?width=1200)
豆腐を作る
私はこの大豆を引っ越しトラックに乗せ今の家まで連れてきてしまった。
気がつけば豆腐を作ろうと思い大豆を購入してから、1年以上が経過していた。その間に私は結婚をし、仕事をやめ、大好きだった鳥取を離れ、新しいこの地にきた。
豆腐作りはコンニャク作りを教えてもらった集落の後に、移り住んだ集落で教えてもらった。私はこの集落に今も未練たらたらである。
1年大豆を放置してしまっても、捨てることはできず、引っ越しのダンボールに詰めて持ってきてしまった。
そんな大豆をやっと水に浸した。
呉を作り、おからと豆乳にわける。
72℃くらいでにがりを入れる。
あの時とまったく同じ作り方をする。
ある時は、
家庭科の授業で6年生の女の子と、
またある時は、
中学校の特別支援教室の生徒さんと、
公民館で婦人会のお母さんがたと、
大豆の香りの湯気の中でわいわい言いながら鍋をかきまわした。
あの時の小学校はもう閉校になってしまった。あの時の中学生はもう高校卒業か?
弘江さんは今も豆腐を作っていますか?
1人、無言で鍋をかきまわした。
出来上がった豆腐はうまく固まらず
おぼろ豆腐になってしまった。