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ロックノベル「シンデレラ物語」Tonight the Night

「トム、あの紫の薔薇の子
また来てるぞ」

忍れど (薔薇の品種名)

「あ、ほんとだ。どうしようかな?」

「あの子、随分前の金曜日に
お前に薔薇くれて、その後消えちゃったん
だろう? 気になってたんだろう?トム」


「うん、まぁ。」

「グズグズしてるとまた消えちまうよ!
誰かさんと。」

「でも、ただのシンデレラのファン
だったら?」

「聞いてみなきゃ、ただのファンか
お前に気があるのか分かんないじゃ
ないか!」

「でも、エリックさぁ。」

「大きな図体して、モジモジするな!
俺彼女ここに連れて来てやろうか?」

「いや、いいよー。」

「お、ジェフ!」

「よ、エリック、トム 何ゴソゴソ
やってんの?」

「あ、忍ちゃんだ!」

「ジェフ、あの子知ってるのか?」

「ああ、トム うちのママが働いてる
寿司屋のオーナーの親戚の子だよ。
今、日本から夏休みで
遊びに来てるんだって。」

「そうだったのか。通りでこのクラブ
でもあんまり見かけない顔だなぁって
思ってたんだよ。」

「随分前にここに来たって言って
たけど?それがどうしたの?」

「トムが気になってるんだよ、
その忍ちゃんをさ。」

「僕もカワイイ子だなぁって、見てたんだ
けど、トム兄貴がそうなら僕は
身を引くよ!」

「あ、そんな大袈裟な事じゃ無いんだ
けどさ、前に俺に薔薇くれたんだよ。
あの子。」

「日本じゃ女の子がバレンタインに男共に
チョコとかプレゼントするらしいよ。」

「へーアメリカじゃ考えられたいね
金💰はたくのはいつも俺たち男じゃん。
レディファーストとか言ってさ。」

「だよな〜!」

「じゃ、忍ちゃんは男にプレゼント🎁
もらい慣れて無いわけでしょ?
って事はさ。。。」


「いい事言うじゃ、エリック!」

「じゃ、簡単だね!」

「Tom、Tonigt the night!」

「ジェフ、何あげたらいいかな?」

「トム、もちろん、まるごと
お前をあげたら?」

「エリック‼️」

「ハハハ😆 楽屋でシャワー浴びて
準備しろよ。ステージ後で汗だく💦で
臭いぞ〜!」

「そう?汗の匂いがセクシー🫦
な筈だけど!」

「いや、トム日本人は綺麗好きだよ。
ママがそう言ってたもん!」

「そうだよな〜やっぱジェフ!」

「神風が吹きますように〜アーメン🙏」

「トム、この僕の日本🇯🇵の鉢巻
あげるよ!頑張って!」

「トム、突撃して来い!」

「ああ、エリック 玉砕した時は俺の事
よろしくな!」

「その時はこっそり忍び泣き😭だね!
トム兄貴!」

忍れど男泣きかな!

(大笑い)

The End

1983年 夏
シンデレラ デビュー前
トム キーファー  22歳
フィラデルフィア 
エンパイア ロッククラブにて

シンデレラがジョン ボンジョビにこの
クラブで見出される2年前のとある晩
の出来事

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