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禍話リライト

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記事一覧

【禍話リライト】写真を隠す/描いた間取り【怖い話】【2本立て】

 写真を隠す 心霊写真ブームの当時、禍話語り手のかぁなっき氏が通っていた小学校であった話だ。
 ブームだった当時は学級文庫にも一冊は、「心霊写真」など心霊系の怖い話を取り扱った本が置いてあった。その本を巡った騒ぎが起こった時の思い出だ。
 クラスではその本を利用して、心霊や怪談といったものを怖がる友人に掲載されている心霊写真を幽霊が写っているという部分にわかりやすいように丸まで描いて見せて反応を見

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【禍話リライト】踊り場こっくりさん【怖い話】

 こっくりさんのブームがとうに過ぎた頃に学生時代を過ごした、とある女性の話。

 彼女が入学した高校の生徒手帳。その最後のほうのページにある校則の欄には、「こっくりさん禁止」という文言があった。古臭く感じるそのルールに彼女も首をかしげたが、校則を作ったころから変えておらず、もはや無意味となった今も記されているのだろうと考え、いったんは納得した。
 ところが、時代によって移り変わる流行などに沿うよう

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【禍話リライト】三二三六号【余寒の怪談手帖】【怖い話】

 偽汽車という怪異をご存じだろうか。
 狸列車という名で呼ばれることもあるこの怪異は、日本に蒸気機関車が普及し始めた時代から見られるようになった、存在しないはずの蒸気機関車が鉄道線路上を走るというものだ。
運行中の蒸気機関車が走っていると、同一軌道上を走っていないはずの別の機関車が走ってくる。それを見た運転士が急ブレーキをかけて前方を確認すると、その列車は忽然と消えているというのが多くの体験談のパ

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【禍話リライト】二本立て 夜行バスの窓/十円玉【怖い話】

夜行バスの窓 これはひとりでバスとかに乗ったら気を付けてほしい、という話だ。
 九州圏内の高速道路で、夜行バスに乗って窓際の席で寝ていると窓をすごくたたかれることがあるという。聞いた人は一瞬、雨の音かな?とか、カーテンの金具でもあたっているのだろうかとか思うのだが、どうも違うらしい。
 自分だけその音のせいで寝付けない。そのうちどんどんイライラしてきて、
「なんだ!」
 と窓から外を見ると、夜なの

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【「禍話」リライト】想像の家の中【怖い話】

前書き 2016年8月から始まった大人気「怖い話」ツイキャス、『禍話』(まがばなし)。週に一度、ばらつきはあるものの大体1時間半ほども怖い話をし続けるという驚異の活動力・怖い話ぢからをもった語り手のかぁなっき氏の魅力ある語り口に魅了されたサポーターたちの増加は留まることを知らず、2021年現在すでに2200人を突破している。
 そんな禍話であるが、質のいい「怖い話」が多数語られているのにもかかわら

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