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気仙沼市の協働に関する政策・施策を調べる②(気仙沼市総合計画)

気仙沼市は、第2次気仙沼市総合計画基本構想を改定し、後期基本計画を策定しました。

基本構想は、2017年度から2026年度までの10年間のもので、後期基本計画は2021年度から6年間のものになります。基本構想は、将来像や将来フレーム(将来人口、土地利用)、基本目標から成っています。

構成図と計画期間(第2次気仙沼市総合計画から)

基本計画は、基本目標を施策ごとに細分化し、それぞれ「現状と課題」「施策の方向性」「主な目標」「主な取組」を記載したものです。
その下に、市が分野ごとに策定する個別計画や、地域が策定するまちづくり計画が来て、それらの計画は市の総合計画と整合性を図りながら推進されるとのことです。
基本目標も、「I将来像を実現するための「仕組みづくり」の目標」と「II将来像を実現するための「まちづくり」の目標」に分かれています。

基本構想・基本目標(第2次気仙沼市総合計画から)

協働への関係が強いのは、ざっと見たところ「基本目標I-1【対話・共創・協働】市民が主役のまちづくりを推進します。」と「基本目標II-6【福祉・地域コミュニティ】自分らしさを生かしながら、思いやり、支え合えるまち」の「(2)コミュニティ活動を活発にし、地域、NPO、行政等とのパートナーシップの下、地域課題を解決します。」になります。

基本目標の1番目に「対話・共創・協働」を持ってきていることからも、協働に力を入れようとしていることが伺えます。
ポイントと思ったことをいくつか抜き出してみます。

基本目標I-1【対話・共創・協働】市民が主役のまちづくりを推進します。

(1) 地域リーダー育成を基礎とし,住民と行政,営利(産業)と非営利が世代や立場を超え, 対話を通じ進むべきベクトルを合わせながら,共創,協働を行う住民参加によるまちづくりをまちまるごと大学「まち大学構想」として展開します。

第2次気仙沼市総合計画

↑ここに重要ポイントが凝縮されている感じですね。
以下、協働に関する個別のポイントを見ていきます。

①産業人材・まちづくり人材の育成,対話・共創の場の活用
現状・課題
・市民や地域・事業者が協働する統括的な枠組み,体系が必要です。
・気仙沼まち大学構想において,様々な人が集い,対話し,協働する空間として気仙沼まち大学運営協議会が「□ship」を開設しています。
施策の方向性
 自ら学び,行動する人材を育成するプログラムをはじめとした学びの機会を作り,提供するとともに,その学びを基礎とし,市民が集い,議論し,共創・協働を行うプラットフォームを創出し,まちの進むべき方向を合わせながら様々な活動が展開される仕組みを作ります。
主な取組
行政
・地域等において開催される様々な会議において,意見を汲み取り円滑に進行できる役割や調整できる存在として,また,市民同士や行政との協働によるまちづくりを促進させる存在として,ファシリテーターの育成を図ります。
全体
・気仙沼まち大学構想の推進を図り,自治会,まちづくり協議会, NPO 等との協働の仕組みや全体の体系を整理し,市民が主役のまちづくりを進めます。

第2次気仙沼市総合計画

まち全体を「気仙沼まち大学」という学びの場に見立て、さまざまなチャレンジが生まれていく気仙沼まち大学構想が掲げられ、その構想実現に向けて、さまざまな人が集まり、対話・協働する拠点として「□ship(スクエアシップ)」が設置されています。

「自ら学び、行動する」人材育成をとても重視していることが伺えます。
そして、気になるのが「市民同士や行政との協働によるまちづくりを促進させる存在として,ファシリテーターの育成を図ります」と、ファシリテーターの育成を明記していることです。具体的にはどのようなプログラムを行うのでしょうか。

②住民自治と協働の推進
施策の方向性
 市民,自治会・まちづくり協議会・NPO等の団体,行政が相互にその特性を活かし, 地域の課題解決や活性化に取り組む協働のまちづくりを進めます。

第2次気仙沼市総合計画

③公民館の多機能化・まちづくりセンター化の検討
現状・課題
・公民館は,地域の住民や団体との協働によるまちづくりを進めるに当たり,住民等の活動拠点にもなり得る施設です。

第2次気仙沼市総合計画

②と③は、テーマ的に共通する部分もあるようです。自治会やまちづくり協議会などの地縁組織とも協働を進めていくこと、公民館を住民自治・協働のまちづくりの拠点として多機能化するのを検討することが書かれています。

基本目標II-6【福祉・地域コミュニティ】自分らしさを生かしながら、思いやり、支え合えるまち

(2) コミュニティ活動を活発にし,地域,NPO,行政等とのパートナーシップの下,地域課題を解決します。

第2次気仙沼市総合計画

基本目標II-6の(2)において、地域、NPO、行政のパートナーシップによる地域課題の解決が謳われています。

①地域コミュニティ活動の推進
主な取組
地域・事業者
☆地域課題の解決に向けては,住民の意見を取りまとめ,自主的に,又は行政も含めた多様な主体との協働により取り組みます。

第2次気仙沼市総合計画

②市民活動の推進
現状・課題
・気仙沼まち大学運営協議会では「気仙沼まち大学構想」の一環として,様々な人が集まっ て対話し,協働する空間として「□ Ship」を開設しています。
主な取組
☆活動状況の紹介やイベント情報を掲載した「まちづくり通信」「市民活動みつかるブック」の発行や交流会を開催し,団体間のネットワークづくりや団体の連携した事業展開を支援します。
・ 市民活動支援センターと気仙沼まち大学運営協議会との連携を行うとともに,それぞれの機能の統合について進めていきます。

第2次気仙沼市総合計画

気仙沼市の市民活動推進の拠点として、気仙沼市市民活動支援センターが設置されていますが、これと気仙沼まち大学運営協議会と機能の統合を進めていくとのこと。今後どのようになっていくのかが気になりますね。