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橋本治『桃尻娘プロポーズ大作戦』

橋本治『桃尻娘プロポーズ大作戦』読みました。
橋本治が書いた、映画・テレビ・ラジオドラマのシナリオをまとめたものです。

文庫版を読み始めたら、文庫化の際に改訂稿や決定稿が削除されたと文庫版のまえがきに書いてあったので、本編は単行本のほうを読んだのでした。

この中に入ってる「パリ物語」は、『「わからない」という方法』で具体例として挙げられていたパリを舞台にしたドラマ。
エコール・ド・パリをテーマにムックを作ることを命じられた編集者が、写真家とパリを旅する。パリの街並みや絵画がたくさん挿入されているようなので、観てみたいなと思いました。編集者役の江戸川が柄本明で、いろんな画家になって何役にもなるのがめちゃくちゃ楽しそう。

「なんかサァ、みんなサァ、自分の絵を描きたかったんじゃないかって思うんだ」
「自分の絵って言うよりか、絵を描くことによって自分の歌を歌いたかったんじゃないかなァって思うのね、あたしは」

橋本治『桃尻娘プロポーズ大作戦』
(「パリ物語」決定稿、大和書房)
 

表題の「桃尻娘プロポーズ大作戦」は、橋本治の長編小説である『桃尻娘』シリーズとは設定が少し違ったりしているので、独立した話ではあるのですが、橋本治は

「ひょっとして私は、すべての“桃尻娘”の中で、今ンとここの話が一番好きなのかもしれない」

橋本治『桃尻娘プロポーズ大作戦』解題

と書いているので、やはり桃尻娘の一環ではあるのでしょう。「今ンとこ」の“今”は、シリーズ6部あるうちの3部と4部の間かな?と思います。


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