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「壁を乗り越える」=「今のキミはもう十分あの頃を超えているよ」と気づくこと。

ビジネスでは「攻めの姿勢」「壁を越える」が大事というのは、よく聞く話。だから「フリーランスを副業にしている」なーんていうと「本気度が足りねぇ」とかツイッターでホリエモンあたりに言われちゃうんかな。って時折ビクつく。

ビジネスだけじゃないけど、何事も乗り越えていくときに「いろんな壁」に出会う。乗り越えたら楽しそうだ〜ってテンションになる壁もあれば、これはやべえ。って向かい合わせで立つことすら躊躇する、ヌリカベ的なやつもある。

フリーランス主婦あるあるなんかなぁ〜。わたしは「壁は乗り越えない」ってスタンスでおったんだんよね。

◾️壁を乗り越えようとすると、主婦業に支障をきたすだろ!

楽しいことを仕事にするフリーランスを「ライフワーク」というならば、生きていくために最低限に必要な経済保証の本業を「ライスワーク」っていうのと同じで。わたしの最優先すべき仕事は「家事であり、育児」と思っている。

だから「ちょっと壁になりそうだな」って思う仕事は、遠回しに断ったり、他の人に回したりして、するりと抜け道を通る作戦で過ごすのよ。

そりゃ確かに、面白そうだーって思う壁もないわけじゃないが、その壁を乗り越える作業は、ものすごい労力を使うし。インプット、アウトプットの時間も相当にかかる。そんな時間をかけていたら、子供たちの面倒も疎かになりそうだ。家から歩いて1分のところにコンビニがあるから、そこが冷蔵庫化して、すげー出費にもなりそうだ。

そんなコンビニ食並ぶ食卓がセブンイレブンの CMみたいに笑顔になりゃいいけどね?絶対に夫は苦虫噛み潰して「どうしたの?ごはん作れないの?」ってなるわよ。セブンのCMは、主婦の理想の食卓像だけど、実現するには「勇気」と「鈍感力」が必要。声を大にして言いたい。壁ごえは、完全に主婦業に支障をきたす。

というわけで、主婦業に重きを置いている幼児期に「フリーランスとしての壁を乗り越える」という壁は乗り越えない。という決断(ややこしや〜)。

◾️壁を乗り越えようか迷った夏休み。

子供が夏休み中の頃。仕事を7割休んで遊ぶことに決めていたが、ある日仕事が舞い込む。膨大な量が突然に。しかも急ぐとか言いよる。「いやいや、これはダメでしょ〜」って断りのメールを打とうと思ったら、見透かしたように、餌を出されてしまった。「報酬3倍で」

報酬3倍。。報酬3倍かよっ!いつもあんなに金額交渉渋るくせに!今日に限ってフィーバーかよっ!

あー、どうしよう。明後日テレ朝夏祭りに行くんだ。次の日は花火だ…約束を破ることだけは絶対ダメだ。でも夜寝ないでやるとか、ほんとダメだ…。夜はゆっくり晩酌したい。だいたいこれやるのに3日はかかる。。対応できる時間は1日半。無理。絶対無理。でも、報酬3倍…テレ朝夏祭りの帰りにビアガーデンに行けちゃうくらいだろ、それって。

ビアガーデン…。

そんな報酬で決めたわけないとは言い切れないけど、3日の作業時間に対して、1日半しか日程が調整できなくて、あの頃のわたしはラリってたのか?としか言いようがないが、二つ返事でその仕事を受けた。受けてから「どうしよう」って頭を抱えた。隣でテレ朝夏祭りの準備に勤しむ子供達を目に「明後日中止!」とかいえねぇ。マジいえねぇ。

◾️まずは何より家族の承諾を得るところから。

何度か受けている仕事ではある。だからなんとなくの流れがわかる。どの工程にどれくらいの時間がかかるのか、どれくらいの精神力が必要なのか。わかるからこそ、自分の完了時間まで「3日」と算段している。

やるしかねぇ。1日半で。絶対に譲らないのは「子供との約束」「夜の晩酌」「夜の睡眠時間」この3つ。後ろの2つ、どうにかなるだろ、となりそうだけど。自分の好きなことは1日1つは絶対やるって決めている。

夫にすぐ連絡して「今夜はセブンのCMみたいに、コンビニ全開していい?」仕事について説明して承諾してもらった。返信は「じゃ、俺ごはん外で済ませてくる」。うっしゃー!食いブチ(しかも最大級)1人減って食費が浮いた!

この夫の返答を怒ってるかな?とか、悲しんでるかな?とか、推測してはいけない。ここで壁を乗り越えるための「勇気」と「鈍感力」を発動した。

◾️準備は整った とにかくやるしかねぇ。

仕事に取り掛かった。自分のキャパ3日の仕事を1日半で終える。どうなるかわからんが、やってみるしかねぇ。できなかった時は、1日半後に考える。フリーランス主婦2年。初めて壁と向き合った。

そして。

◾️自分で決めつけていただけの壁と気づいた瞬間。

この後どうなったか?というと、約束どおり2日後の「テレ朝夏祭り」にビアガーデン付きで盛大に打ち上げをしてきたw

結局「夜の晩酌」と「夜の睡眠」を削ったのか?いやそうではない。わたしはこの仕事に「自分のスキルで3日かかる」と決めつけていただけのようだ。3日かかると認識していたから、ずっと3日かけてやっていた。それだけだった。

実際は、1日で終わってしまったのだ。

1日で終わりを迎えた瞬間「あれ?」と声に出した。納品してクライアントから「助かりました!めちゃ作業が早くなってますね!」と言われて「そうみたいですね」ってどこか他人事のように、呟いてしまった。

◾️今のキミはもう十分あの頃を超えているよ。

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あ、安西先生!


かつて名作「スラムダンク」で過去の自分を美化していた三井寿に対して、つぶやいた安西先生の言葉。これがすごく脳裏に蘇った。中学時代のスーパースターとしての自分を美化して、今の自分を責める傾向。これと似たことが、わたしにもあると感じた。

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かつてのバリバリ代理店時代。睡眠時間を削ってまで死に物狂いで働いていたあの頃。1日の全てを仕事に費やしている時があった。体力、精神力、若さ、ともにピークを迎え、今のように守りに入る必要もない。「ビジネスには攻めが必要」とヒトラー並みに怒鳴り散らした過去がわたしにもある。

しかし、守るべきものができ、あの頃のような若さもなくなり、体力にも自信がなくなり「自分が今できることをできる範囲で」なんて、ぬる〜っとフリーランスをしている今の自分を見たら「守りに入ってんじゃねー!ババア!」って怒鳴られそうだ。当時口も悪かったしね。怖い。

過去の自分を美化して、あの頃を勝手にピークと決めつけて、今の自分を責める。過去のブランクが長い分、自分を信じられなくなった。三井よ。わたしも同じだ。あの頃に読み取れなかった、三井の心情を今、まさに。

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そして三井は、仲間の窮地を救った。知る人ぞ知る山王戦なので、そのまま名作の最後の試合となったが、彼には大きな自信になっていることは間違いない。引退した赤木・木暮を見送って、卒業までバスケ部に残ると決めたんだから。

今回のわたしに重ねれば、三井は壁を乗り越えたと判断したのかな。バスケの技術的なことじゃなくて、自分を責める、自分を信じる、そういった内面の壁を乗り越えたのかな。

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いや、壁とかじゃないんだよな。自分を信じて「あの頃を超えた」っていう自信をつけたんだよな。そうだ。わたしもだ。もう体力的にもババアだし、子供も見ないとだ。なんてあれこれ理由をつけて、自分の過去を美化したり、セーブしたり、隠れたりして仕事していただけなんだよな。

そろそろ自分を信じていい頃だ。今のわたしは十分あの頃を超えている。

壁を乗り越えるとは、すなわち「過去の自分を超えていることに気づく」こと。そんなことに気づかされた夏になった。誰にでもある。すでに超えていることに気づかずに「多分できない」と壁にしていること。

安西先生〜!!



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自分の頭の中を紙に書き出す整理習慣が「自分の幸せ」を引き出す手法の1つとして広めたいです。わたしがそれで幸せになったので、メソッドを作りたいと計画中です。