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インポスター症候群

最近、インポスター症候群という言葉を知って勝手に一人で盛り上がっていた。
これは自分が成功したのは運が良かったから、周りに恵まれたからだと、自分の実力、努力を認めず過小評価し、今の立場は周囲を騙して得たも同然、いつか自分の正体が暴かれるかもしれないと怯える心理だそうだ。
女性に多いと言われており、私にもそういうところがある。
もともと女性に自分を過小評価する傾向があるからだと説明しているサイトがあったが、私のケースでは説明不足の感がある。

恐らく私は、もともと自己評価がそれなりに高い傾向がある。
記憶にある限りでは、保育園に通うようになり、同世代の園児たちと自分があまりに違うように感じて、彼らを野蛮人だと思っていた。
同時に私は機能不全家族育ちで、好きにしていても安全に生きていられると思っていなかったため、彼らを思ったままに野蛮人扱いしたら生存に不利だと考えもした。
私の育った環境では、そのとき思ったままの自己評価・認識、つまり自然体のままで生きられない状態だったため、環境に適応するために自分を変えなければならなかった。
ほかにも社会的に成功しており、どう見ても実力のある女性でも、この傾向に悩んでいた例があることを考えても、ある時点までは過小評価したほうが生存に有利でその意識が強く根付いた、つまり本当の自己評価・認識とは違う自分を演出するのは辛いので、その辛さから逃れるために、自分は本当にこういう人間なんだと思い込むようになったのだろうと思う。
だが大人になるにつれて、自分自身で行った誤魔化しと現実の差が大きくなって薄々(自分をも)騙していたと気づくようになり、幼いころに感じたバレたら生存が危ういという恐怖が蘇ってくるのだろう。
ただし、私が今あるのは機能不全家族育ちなのも含めても周りに恵まれて運が良かったからなのは事実なので、要はバランス感覚を整える感じで、必要以上に自分を卑下することはないことを自分に納得させるために、あのときはそうするのが最適解だと思っていたけど、今はそうじゃないんだよ、大丈夫、誰も悪くなかったんだよと自分に言い聞かせられる一つの方便として、インポスター症候群という言葉があることを知ったのは幸運だった。

こういった考え方は今まで私を随分と助けてくれた。
主に進化論をベースとした考え方だが、例えば機能不全家族育ちでアダルトチルドレンになったというのを、異常な環境にいて、それに適応するために異常な状態になったと言い換えることが出来る。
つまり異常な環境にいて異常な状態になるのは、生物として正常な反応であり、適切な手段を用いれば、(本人にとって異常な)生きづらい状態を改善する余地があることを意味する。
生物として正常な機能を持っているので、正常、つまり生きやすい状態に戻すのにそれが使えるということだ。
この改善の過程で、環境が悪かったのだとか他責に走ったり、自分は正常なので、絶対に自分のほうが正しいのだとか、望ましくない心理になる危険性はあるが、そのことがあらかじめ分かっているのなら、陥らないようにする対策も立てられるだろう。