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オフコース・クラシックス・コンサート 2022・6・30-in Budokan-

に行ってきました。

結論を言うと、こんなすんばらしいコンサートは本当に久しぶりで、本当に本当に観に行けたことに感謝している。つい今年の頭まで、私の職場は「関東に行くの禁止」「コンサート、ライブに行くの禁止」とやたらと禁止事項があって、東京にある実家にもまる2年帰れなかったので「東京で行われるコンサートに行く」ことはもはや私にとって特別なことになっていて、それがとっても素敵なコンサートだったから、本当にうれしかったのだ。

オフコースは40年前の6月30日に前代未聞の10日間コンサートの最終日を迎え、5人での最後のライブを終えて、休止期間に入った。(その休止期間にYES-YES-YESっていう総まとめみたいなアルバムが出たんだよな、それが私が唯一持っていないアルバムなんですが、当時は今みたいにネットとかそういう情報がなかったから、GBっていう雑誌を買って、泣きそうになりながら編集室に電話して「オフコースはまた活動を始めるんですか?」とか聞いたな。対応していただいた男性の方はとっても親切に「わからないんですよ」って答えてくれたな。懐かしいな。その頃、フィルムコンサートにも行きました。誰か行った人いませんか。私は塾に行くってウソついて、三越劇場に行きました。We Want Off Courseっていう缶バッジ付けて。)

閑話休題。それでその40年後のこの日に、オフコースの曲を服部隆之さん指揮でオーケストラが演奏して、いろいろいろいろな歌手の方が歌を歌うっていう、とっても贅沢でちょっと信じられないコンサートが、あった。6月30日は我々ファンにとっては特別な日だし、武道館も特別な場所だから、なんか緊張したな、自分が演奏するわけでもないのに。ぷぷぷ。久しぶりに武道館を前にしたら感無量でした。

コンサートは1部と2部に分かれていて、1部があの6月30日を再現したもの、2部が2019年から行われてきたこの「オフコースクラシックス」をかいつまんだような構成でした。

いきなり始まったのは、バンド演奏の「愛の中へ」。私とマッキーは「ここは、『心はなれて』からいってほしかったよねー」と話していると、「NEXTのテーマ」があの武道館の夜の空撮の(当時の明かりの少ない東京ー後楽園球場もあるー)映像とともに、小田さんの歌声が流れて、ちょっとビビる。家や車では何度もNEXTは観てるけど、それってとっても個人的に楽しんでいるのであって、その歌と映像が大音量で武道館で流れるってなんかシンジラレナイ。暗い会場にレーザー光線も飛ぶ。これはまさに再現。そして、最初の1曲目は

「愛の中へ」ではなく佐藤竹善さんが「メインストリートを突っ走れ」。おおおー!私たち青森から来たよー!と心の中で叫ぶ。うまい。次の曲は「君を待つ渚」。さかいゆうさんが歌う。うまい。次は稲垣潤一さんが歌う「夜は二人で」。うまい。ボキャブラリーが乏しいな。それぞれ、うまさは違っていて、みんなオフコースの歌の良さを残しながらちゃんと自分の歌みたいに歌っていて、すごいなあと思った。私は音楽に関してはあんまり詳しくないけど、そんな素人でも、アレンジがいいなあ、と思う。そして、この曲順、本当に6月30日のあのOverのツアーのコンサートを、再現していました。

でも聞きながら、私の気持ちは二つに割れていました。一つは「オフコース最高!」という気持ち。こんな素晴らしいアレンジで、オーケストラの演奏で、プロの歌手の方々が歌うなんてほんとにオフコース好きでよかった、と思う。もう一つは「やっぱりオフコースはもう5人ではこういうコンサートはないんだな」ってありありと感じてしまったこと。オフコースの演奏とコーラスのない小田さん単体のライブを観ることと、オフコースの歌をほかの人たちがアレンジして演奏して歌っていること、のどちらがいいかは比べられるものではないけれど、うーむ。と思ったりしました。もちろん、どちらも素晴らしく良いものなので、どちらも観ることができて本当に幸せに思っている。

それと、自分ではオフコースってぶっちゃけ解散しているグループで、なんかもうないものを一生懸命保持しているような感じと言えなくもないと思う気持ちがないでもなかったんだけど、私はオフコースが昔から大好きで、今も大好きで、きっとこれからもずっと死ぬまで大好きなんだとはっきり認識したし、その私の好きなオフコースは今もこうして活きているんだなと感じられてとっても嬉しかった。この曲たちは、こうやっていろんな人に素敵なアレンジをしてもらって、ずっと後世に残っていくんだ、って確信した日でもありました。

それぞれにアレンジされた曲は何度も言っちゃうけどどれも本当に素晴らしかったんだけど、あえて挙げるなら「愛の唄」のサックス演奏、Nokkoの「愛を止めないで」、竹善の「生まれ来る子供たちのために」がとっても印象に残りました。どれも本当に元の曲の良さを引き出していて、雰囲気もそのままなのにそれぞれの演奏している人や歌っている人の雰囲気にも合っていて、ため息が出るぐらいよかったです。ずっと聞いていたかった。「生まれ来る…」も中盤でとってもクラシックな感じになって(すいません教養がなく、なんの曲かわかりませんが)、あと「もう花はいらない」もビバルディみたいになってました。すごくメロディーとアレンジが合っていて、色とりどりの花ビラが舞台に散っているみたいに見えた。オフコースの曲が元々透明感があるから、良いアレンジを加えるとすごくきれいな色彩が現れるのかもしれない。服部先生本当にありがとうございます。あとオフコースの切ない感じのコード進行みたいのも、ちょっとクラシックっぽく長調な感じになってました。そういうのもすごく壮大な雰囲気を醸し出していて、大きな舞台に合う音楽になっていたように思いました。うまく言えないんだけどなんかクラシックぽいなーって思ったので一応書いておきます、間違っていたら偉そうなこと言ってすみません。

指をささない「YES-YES-YES」も心地よかったし(指をさすのが悪いといっているわけではないです、私も小田さんのライブでは張り切って人差し指ふります。でもそれより以前の「オフコースのYES-YES-YES」を聴いているつもりだったから私は手拍子)、そうそう「一億の夜を越えて」は、生ではヤスさんのソロのライブでアコースティックな曲しか聴いたことがなかったので、バンドとオーケストラの迫力でこの大きな舞台で、おまけに「のがすなチャンスを」まで続けて演奏されたひにゃーもう大変でした(これはもちろん「♪のがーすなーちゃんすーをー♪」のとこではこぶしを振りました。少数派だったけど)。

「YES-YES-YES」は一番最後の曲で、歌のサビの部分でバンっと会場の明かりがついて、それもまた40年前のライブのあの伝説の鳴りやまない拍手と歌みたいになっていて、私は昔のそのライブは映像でしか見たことがないんだけど、タイムスリップして40年前の人たちと一緒に歌っているような気持になって、ずっと手拍子を続けていました。曲が終わっても演者が舞台から去っても、拍手は鳴りやまないのも40年前と同じだった。え、もしかして5人出てくるんじゃ? ってちょっと本気で思ったぐらい。まあそれはないか。で、また「ああオフコースってもういないんだなあ」って思う。でも「こうやって良い曲はずっとほかの人たちの腕を借りて、残っていくんだなあ」とも思う。

何はともあれ、こうして40年経ってもこうやって生まれ変わるというか、新しい音楽になっていたと同時に、40年前の音や景色も聞こえるし見えるっていう不思議な空間でした。時間って一方方向に流れ続けていると思っているけど、実は過去と現在って同時にも存在できるんじゃないか? と、ちょっと思いました。武道館がでっかいタイムマシーンなのかな? まさか。

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