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怒るときもあります 鳥見散歩<W湿地編>1/2話 2024年3月

 先日、W湿地に行ってきました。
 広い湿地と大きいダムがあるところです。

 探鳥会のスコープ隊、Oさんおすすめの場所です。

 言われた場所で定点観測をすることになりました。

 Oさんのアドバイスにより、臆病な鳥を驚かさないように車を目隠し代わりにして、車内で待ちます。

 私が着いたときには先客がいて、車内で鳥を待っている様子でした。

 その車に合わせて、道路の端に車を停めました。
 窓を開けたまま、音を立てないように、ゆっくりと運転して静かに停車しました。

 さっそく湿地に姿を見せた鳥がいました。
 初めて見る鳥かと思いましたが、よく見たらバンの幼鳥でした。

 車の中で待つ定点観測方法、知識として知っていましたが、実践するのは初めてです。

 バンの幼鳥は地面をついばみながらちょこちょこ移動して見えなくなりました。
 その自由な様子に、人の姿が見えないというのは、かなり効果が大きいと思いました。

バン(幼鳥)
逆光だった

 バン幼鳥が消えた近くに見えた鳥を、てっきりバンの幼鳥だと思ってしばらくぼーっと眺めていました。

 あれ、なにか違う?

 慌ててカメラを構えたら、知らない赤茶色の顔。
 臆病でなかなか姿を現さないという、ヒクイナでした。

 ヒクイナは動きがすごく速かったです。
 バンの幼鳥がちょこちょこなら、ヒクイナはシュッシュッと走り、あっという間に姿を消しました。

 車の目隠し、すごいです。

ヒクイナ

 少しすると細身のお兄さんが車の脇に立ちました。

 ここではじめて、私より先に来ていた車から人が降りました。

 車から降りてきたのは全身迷彩服のおじさんでした。
 迷彩服おじさんのアドバイスで、細身のお兄さんは湿地から離れた所(道の反対側)に移動しました。
 座って体を低く保ちます。
 これなら車の外でも大丈夫なのだなと感心していた私。

カイツブリ

 時間が経過すると周囲の人が入れ替わりました。

 次に私の車の近くに立ったのは背の高い白髪の男性でした。

 車内で待つと疲れるので、たまに車から降ります。
 湿地と反対側のドアから出入りするし、ドアを閉める音が鳴らないよう細心の注意をします。

 湿地に向かって立つ白髪の男性に声をかけると「景色を撮っている」という返事でした。

 「人を怖がる鳥を待っているので、撮影が終わったら早めに引き上げてもらえませんか」
 「なんていう鳥?」
 「ヒクイナです」
 「ふぅん」

 そういう感じで立ち去ってくれました。
 自分でやってみての反省ですが、先ほどの迷彩服おじさんみたいに的確にアドバイスができるのはいいなと思いました。

 「そこに立つんじゃない」と言うだけなら簡単です。
 その人はどこで待つなら鳥に影響がないかをきちんと伝えていました。

ジョウビタキ メス

 今までの経験から、静かになってから鳥が動き出すまで10分ほどかかるように思います。
 しかし、この日は何分もしないうちに次の賑やかな人がやってきて閉口しました。

 今までカメラマンに怒られるなんて噂をブログに書いたことを反省しました。
 私は実際に鳥撮りのカメラマンに怒られたことは一度も無いのです。

 怒られたのは、その人にも原因があったんじゃないかな。

 修行僧のような我慢時間を車内で過ごして、そんなことを思いました。

 そして、修行僧になりきれない私は、結局、マナーの悪い素人さんにぶち切れました。

 シャッター音、足音、ドアを閉める音。
 湿地にはみ出して体を乗り出す。
 この賑やかな素人さんたちがいる間は鳥は出てこない。

 黙ってカメラのファインダーを覗いて待っているときに、とつぜん目の前が化繊の衣類柄なりました。
 撮影している前に人が立つなんて信じられないです。

 堪忍袋の緒がぶつっと切れてしまい、この場を退散しました。

2につづく。

オオバン


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