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戦後最大の改訂「高等学校国語」1学期

教員全員がやりたくなかった1年生担任になってしまいました!なぜなら今年度から新学習指導要領が実施されることに加えて、わが県では観点別評価に対応するために新システムが導入されたから。二つの「新」で現場はめっちゃくちゃ忙しくなりました・・。54歳の私なのに、休憩なしの連続11時間勤務を続けて評定をつけ、個人懇談もこなして、なんとか夏休みを迎えております。

戦後最大の高校国語改革

今回の学習指導要領の改訂で特に話題となったのが、高等学校国語の科目改変。現代文と古典の二分化ではなく、「文学」と「論理」に分けたり、実用的な文章を読み書きしたりするなど、全く新しい方向性が示された。しかし、現場教員からだけではなく、専門家からも批判が相次いだのは記憶に新しいところではないでしょうか。

現場の高等学校では、それらの科目改変への対応もさることながら、観点別評価の3つの柱に「主体性」が入ってしまっていることを問題視していたように感じます。いったいどうやって生徒の主体性をみるのか?文科省からの通知はあまりにも曖昧で、以下を何度読んでも、その言わんとしていることはわかるのですが、現場でどうすれば「主体性」を評価できるのかわからず、本当に困りました。

現場の実態・学びの質の保証できない

公教育の現場では3月の終わりに次年度の布陣が決められます。教員のほぼ全員が「1年だけは嫌だ~~」と言っていたと思います。しかし、やはり引きの強い私は1年の担任になってしまいました。

それから怒涛の準備で、1年担当者が決まって授業が始まるまで2週間を切る有様。その間に入試の2期などもあり、担任は入学式準備もあるので、授業について考える暇もなく、あっという間に日々が過ぎていきました。なんとか新しいカリキュラムを自分の頭で組んで、他の先生方に伝えて、授業を実施していきました。

自分の構想が形になって実施されていくのはエキサイティングでしたが、他の先生方には多大な苦労をかけてしまいました。

なんといっても、現場は人が足りません。

専任は二人で、非常勤講師の先生と新卒で突然任期付きに教員になった先生で授業をまわしていきました。

専任教員は新学習指導要領のこと等も研修を受けていますが、非常勤の先生や新卒で任期付き教員の先生はいったい何が始まっているかもわからなかったと思います。

特に問題なのが、正規採用ではない新卒の講師の先生方です。正規採用ならは指導教官がつき、指導時間も確保されながら授業を行えますが、講師の先生にはそんな制度もありません。私も忙しすぎて、丁寧に教える時間もなく、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

企業ならば教育されていない人材が現場に出るなど、あり得ないことです。

とにかく誰でもいいから人をつけて授業をまわしているだけの公教育現場。これで文科省の求める「授業の質の保証」などできるのでしょうか。

現場の実態を見せない現場にも問題はある

「資質・能力」「パフォーマンス評価」「コンピテンシー」など、次々と新しい用語が飛び込んできて、いろいろと要求される教育現場。しかし、多くの教員はついていけていません。現場でいい感じになんとかしています。

それはそれでいいのかなと思っています。

Twitterの教員のつぶやきにも「お願いだから文科省さん、もう何にしないでじっとしていて」等の現場の声がよく流れていますね。

同感です。

しかし、文科省さんには下々の現場のことなんかわからないですし、現場もわかってもらおうとしていないのでは、と感じます。

たとえば、県の教育長さんが来る、となれば、全校あげてしっかり掃除させられます。

いつもの学校とは違うよそ行きの学校を視察して帰っていかれるわけです。

それが文科省のお役人さんだったらもっとよそ行きになるでしょう。

だから、どうしようもないのかな、と思います。

この感覚はあくまで個人的なものです。自分の今まで働いてきた現場とその周辺の在り方に関しての感想です。ただ、どこの国の学校よりも遅れた設備で、教員の養成さえろくにできていないのに、理想だけは高く、現場はいい感じでなんとかまわしているという部分もあるよ、とお伝えしたいと思い書きました。

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