#2 ミネストローネとニンニク
突然だが先日食べたミネストローネが絶品であった。
昨日くるみパンについて書くと言っておきながら、舌の根も乾かぬうちにテーマを変えてしまった。まるでネコのようだと言われながらも、今まで変えずに生きてきたスタイルが早くもnoteに出てきた。周りと比べて少々自由にしすぎなのかもしれないが、まあ人様に迷惑をかけていなければ問題ではないはずだ。
話を元に戻そう。
冒頭に出てきたミネストローネは、レストランのものでもないし有名シェフが監修したものでもない。たまたま暇つぶしに眺めていたツイッターに載っていたレシピが美味しそうかつ簡単そうだったので、作ってみたものである。
私は元々ミネストローネというものが好きでも嫌いでもなかった。小学生の時給食で出てきた、トマト味のスープに少しふやけたマカロニと煮くずれたにんじんとたまねぎの入ったもの、その程度の認識であった。だからわざわざ作りたいとも思わなかったし、小学校を卒業してから食べた記憶もほとんどない。
けれども何故かそのツイートを見ると無性に作りたくなったのだ。やたら冷え込んだ日だったからか、アイコンのネコちゃんが可愛かったからか、レシピに添えられてた写真にそそられたのか、理由はよくわからない。わからないけど、美味しそうだしなんだか名前もオシャレじゃないか、ミネストローネ。
同居人が買い物に行くというので、さっそく材料であるセロリを買ってきてほしいと頼んだ。
「セロリ?」彼女は怪訝そうな顔をした。「いいけど、珍しいね」
彼女の言う通りだ。私は普段からよく料理をするが、冷蔵庫の中によくあるものでぱっぱと作るのが1番得意なのでわざわざ何かを買い求めて料理することは珍しい。セロリという難易度の高い(と感じる)野菜を調理することもほとんどない。彼女が買ってきてくれたセロリは想像していたよりもはるかに香りが強く、うまく調理できるのか少し不安になった。でも、やってみるしかない。
調理自体はすごく簡単で、あっという間にツイッターで見たものを再現することができた。少しオリーブオイルの浮いた、ほかほかのスープ。アイコンのネコちゃんによると香りを出すためにセロリとニンニク、ベーコン、たまねぎをしっかり炒めなければいけないということだったのでいつもより入念に炒めたのだが、あとから追加したトマトの香りに押されてしまいしっかりと出したはずの香りはかすかに感じる程度になってしまった。
炒める前は、そして炒めている最中はしっかりと存在感を持った香りを放っていたのに完成してみるとおとなしくなってしまったことが残念だった。ただ、驚いたことにセロリの食感はしっかりと残っていた。ミネストローネというものは先述したように煮くずれた野菜のスープだと思っていたが、しっかりと"食べる"ことができるスープだったとは。くたくたになったように見えているセロリがしゃきっとした食感を残しているとは。周りになじんでいるように見えていて存在感を放つ、見る人によっては浮いているだのと言うかもしれないが、私はそういうオーラを持つものの方が好きだ。
このことに関しては後日整理してみることにして、ミネストローネの話を締めにかかろう。少し残念な点はあったものの、私はこの料理をとても気に入った。香りの薄まったセロリ、ニンニクは見方を変えればトマトによってまとめられているとも言えるし、作るのは簡単だし、なにより美味しかったのだ。これから冬の定番料理になりそうだ。
食べ終わったあと調べてみると、ニンニクは家庭菜園でも栽培できそうだったので球根を購入しさっそく植えてみた。植え付けから今で10日、小さななんともかわいらしいフォルムをした芽が出てきた。
長くて寒い冬は憂鬱な気分になる日が毎年たまーにあるが、小さな芽のこれからの成長を思うと今年の冬はいつもより楽しくすごせそうだ。
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