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守られている

お彼岸に母方の祖母のお墓参りに行く。

毎回
色鮮やかなお花とお饅頭、生前祖母が大切にしていた古い指輪をつけて行く。

随分前に他界した祖母はスイセンの花が大好きだった。

毎年スイセンが咲く度祖母を思い出す。
そして
自分を呼んでくれたその穏やかな声を思い出す。


気丈でハッキリしていたが
40代で夫を亡くした祖母は割と一人でいる時間が長かっただろう。

いつも手作りのストールや帽子を被ったり、着物をリメイクしコートにしたりしてとてもお洒落な人だった。
裁縫が得意だった。

そんな祖母のお墓の周りには何故か毎年
すずらんとスイセンが咲いている。

誰かが育てている訳じゃないのにそこだけ瑞々しくイキイキとしている。

一通りお墓参りを終え母は先に車に戻ったが
私は何だか名残惜しくなり再度一人祖母のお墓に戻り、数分佇んでいた。

祖母のお墓が華やかになり、まるでそこにいるかの様にパッと明るい雰囲気を感じた。

きっと日々私達を見守り、愛を伝え叱咤激励してくれているのだろう。そんな気がした。


今この世に生きる私達はきっと御先祖様に守られていると思う。
何かしらの形で日々メッセージを送ってきているのだろうと。

進んで良い道、だめな道、健康でいられる事、危険を回避する事、誰かとの御縁。

進ませてくれたり、立ち止まらせてくれたり。
見えない力が働いている気がする。

それを大人になって何となく感じる。


昔はお墓参りや参拝に特に意味は無い様な気がしていた。

しかし
感謝を伝える大事なことなんだね。
そんな事を思う彼岸。

おばあちゃん
そちらの世界はどうですか

美味しいものはありますか



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