これからの遠隔授業で気をつけておきたいこと <学生&教員向け>

はじめに

先日、こんな記事を書きました。
・そもそも友達とは?
・遠隔になる前からインタラクティブなやりとりを取り入れていればこんなことにはならなかったんじゃないの?
・じゃあ、これからどうすればいいの?
いろいろな問が生まれたのではないかと思います。

改めて私のまわりにいる、友人・知人・先輩の話を思い返してみました。結論から言うと、受講している授業がすべて一方通行の授業の学生なんていないんじゃない?という予感がしています。というのも、
・今日はオンラインでゼミ飲み会を実施! 二次会は教員は抜けて学生だけで。
・初回授業で、教員は入らない授業用LINEグループをつくってもらった。
・毎回Zoomの授業中にブレイクアウトセッションを使って、グループディスカッションをやってもらっている。
・来週はグループでオンライン発表。
・LMSの掲示板上で、教員や学生同士のやりとりをしている。
こんな話が方方から聞こえてきたからです。

前回の記事にも書きましたが、やっぱり必要な"場"は授業内だけではなく、
廊下、食堂、サークル、行き帰りの移動時間に代わるような"場"も不足していたんだろうと思われます。
それでも、この1セメスターを終えた経験を活かして、授業内で教員、学生にできることはまだまだあると思います!
今日はそれについて考えていきたいと思います。
すでにやってることもたくさんあると思いますので、それはもうやってるよーわかってるよー、と読み流してください。

1.学生にできること

◯規則正しい生活

あたりまえに思えますが、学校に行くという「予定」がないと、これを維持するってかなり難しいんじゃないかと思います。9時から授業開始で8時50分に起きても、遅刻することなく授業に参加できますしね。笑 むしろこの1セメスターを通して、それが可能なことに気づいてしまいましたよね。
できることは、非同期型の遠隔授業であっても授業時間どおりに学習を進めることでしょうか。朝ごはんもきちんと食べて、服もちゃんと着替えて、端末の前に座るのがいいと思います。

◯後輩を誘おう!

先輩の強みは1つ歳をとっていることではありません。2019年以前に入学したことで、横のつながりをすでにしっかりと持っていることです。サークル活動だと積極的にやってる例が多いように思いますが、学部・学科・専攻・ゼミなどでも先輩が後輩を誘って、オンラインの交流会を実施してみるのはいかがでしょうか。教員や大学からの呼びかけがなかったとしても。そういう事情なら連絡先入手などに協力してくれる教員はきっといるはずです。

◯わからないことは聞く

何気ない会話の中で聞ける場が減少したことで、もやもやと疑問を抱えているケースも多いんじゃないかと思います。聞ける知り合いがおらず、教員にばかり質問がいって、教員が疲弊しているという話も聞きますが、それは個別対応しすぎた教員側にも問題があると思います。しょうもない質問をするな!と叱責されて、どんな質問ならしていいかわからなくなってしまったって人もいますよね、きっと。これは学生側だけで解決できる問題ではないんですが、授業全体でできることとして、
・教員は学生からの質問には一斉送信で回答する
・学生同士が会話できる"場"をつくる(つくってもらう)
あたりがあげられるかなと思います。

◯先生を助ける!先生に伝える!

これが一番難しいですよね。笑 でも、オンラインツールに、より慣れているのは確実に学生です。成績のことを、より気にしているのも確実に学生です。課題が多すぎていっぱいいっぱいになってることに気づけるのは学生です。
・こんな方法でファイル共有してもいいですか?
・この授業のレポートの期限はいつですか?
・課題が多すぎて間に合わないので、もう少し期限をのばしてもらえませんか?
TwitterとかFacebookとかをやっているような先生なら各所で話題になっていることですから気づいているはずですが、まさか自分の授業が、と思っていないケースもありえます。とにかく気づいてもらいましょう。
ただし、1単位の学習時間は基本的に45時間です。90分×15コマだけが学習時間でないことは覚えておきましょう。全部自宅学習になったから長く感じますけどね…。

2.教員にできること

◯授業スケジュールを明確に提示

学生はとにかく不安です。大学の掲示板、LMS、メール、友人とのやりとり、たくさんプラットフォームはあるんですが、とにかく不安を感じています。これで合ってるのかな?次はなにがくるんだろうか?と。
初回授業で、その授業の全スケジュールを提示できるように準備しましょう。シラバスに書いてあることがほとんどだと思いますが、本当にシラバスどおりに授業していますか?

スケジュールを提示できるような授業設計をする、そのとおりに進める。変更が生じたときは、その時点で知らせる。

学生とのやりとりで授業の内容を決めていくから、という先生もいるかもしれません。話の内容は変えてもいいですが、いつZoom授業があって、いつ課題を出してもらって、いつ非同期型学習を進めてもらうという、全体スケジュールを提示できないということはないはずです。

・学生同士がコミュニケーションをとれる場をつくる

前回の記事にも書きましたが、LINE交換タイムをつくる、グループディスカッションを取り入れるだけでもいいですが、もう少しできることを考えてみた方がいいと思います。1セメスター終えたわけですから、学生はもういろんな遠隔授業を知っています。教員は自分の授業しか知りませんが、学生はいろんなタイプを知っているわけです。もう甘えは許されませんし、最低限という考えを捨てた方がいいと思います。

自分のできる最高の遠隔授業を目指すって思ったら、楽しくなってきませんか? よし、やってやろう!って思いませんか?

グループで発表してもらったり、答え合わせを学生同士に任せたり、コミュニケーションが必然的に起こりうるシチュエーションを考えるのが大切なのではないかと思います。

◯提出期限には余裕をもたせる(早めに配布、指示)

先程も書きましたが、学生はとにかく不安です。そしてたくさんの課題に追われています。慣れない自己管理に四苦八苦しています。

課題を出すときは早めに出すように心がけましょう。全体スケジュールに課題の内容・期限ともに記載がベストです。

いつ課題がくるかわかっているだけで少し安心できます。対面授業でも突然課題を出すことはあったと思いますが、不安を感じやすい遠隔授業では、不要な不安は取り除いた方がいいです。

◯単純に記憶を測るテストはしない。

オンライン試験ができるのか、という議論が盛り上がった7月。学生を信頼することで一応は可能です。でも、それを単位認定に使ってしまっていいものでしょうか。。。CBT形式などのオンライン試験はすでに存在しますが、厳格な手荷物検査と試験監督の巡回のもとで行われています。

記憶しているかどうかを確認するテスト、やめませんか?
理解を確認するテスト、答えが一つじゃないテストなら、オンラインで時間制限を設けて実施し、提出してもらうということができると思います。

レポート課題でもいいと思いますけどね。その1セメスターにどれだけ知識を得て、それを自分のものにできたかを確かめたいのであれば。

◯詰め込みすぎない

遠隔授業になって、授業準備が2倍、3倍になったという声をときどき耳にします。何がそんなに大変になったのか私にはよくわからないんですが、もしかして詰め込みすぎていませんか?2倍、3倍もかけて準備した授業を受ける学生も、そりゃもういっぱいっぱいになってしまいますよね。
知識を伝達しよう、という意識を捨てましょう。

書籍の一部を資料として配布すれば、学生は理解できます。授業ではその理解を深める活動をしましょう。
何十分も画面の前に座ってじーっと話を聞ける学生は稀です。

でも、今までもこれくらいの内容を授業で扱ってたし。そう思うのであれば、前年度まで静かに聞いてくれた学生に感謝して、今年度からは「考えてほしいことは何か」を意識して授業を組み立ててみるのがいいと思います。今日はこれを覚えてもらう、ではなく。
「考えてほしいこと」を考えることで自然とグループディスカッションのテーマなども浮かんでくるのではないでしょうか。

さいごに

書き出したら、長くなってしまいました。
このニューノーマルを1セメスター乗り切った、学生も教員も本当に疲弊していると思います。大変でしたよね。私もとっても大変でした。笑
だれもができることをやりきったと思いますし、その中で、気づいたことがたくさんあったと思います。
私が学生目線、教員目線で気がついたことをこのnoteにまとめてみました。


まだこのニューノーマルは続きます。


Go Forward!
前に向かって進みましょう!!

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