大学入試失敗者向け、大学生活完全攻略

大学入試も佳境を迎え、後期日程も終わっていよいよ大学受験が終わるシーズンである。第一志望に受かった人も受からなかった人も、そもそも受けられなかった人もいろいろいるだろう。
今回はタイトル通り、大学受験に失敗した人間向けに記事を書こうと思う。
いうまでもないが、それは僕も大学受験に失敗して今の大学に入り、今年卒業する人間だからである。

身の上話

僕は一年間浪人している。それでも第一志望であるT大学には届かず、
今の大学で妥協した。
金銭的な事情、これ以上センター試験を受けて同じ、もしくはそれ以上の成績が出る自信がなかったこと、さまざまな要因が絡んだが、まぁそこはどうでもいいだろう。要は受験に失敗して今の大学にいる。
ただ、僕は今の大学にそこまで大きな不満があるわけではないし(不満が全くないわけではない)、大学選びという意味で言えば成功した方ではあると考えている。故に以下の構成で失敗者なりの大学攻略法について述べる。

1.受験失敗時の大学選び
2.大学生活の過ごし方
3.進路の決定
4.よかった点,悪かった点

1.受験時の大学選び

前提として国立大学なり超難関私大を志望していて、滑り止めとして何枚か私立のカードを持っているというのを想定している。
全落ちしてしまった場合は言うまでもないが何らかの形で再受験するなり身の振り方を考えよう。
高校生の時点ではおそらく浪人なんてありえないと思うかもしれないが、大学に入ってみるとある程度のランクを超えてくると1-2浪は普通に居るので金銭的に余裕がないなどの特別な事情がない限り、あまり思いつめずに頑張って来年も受験しよう。
ただ、カードがあるなら現役で行った方が良い。プライドやくやしさに折り合いがつけられない、どうしてもそこではないといけない等あるのであれば頑張るしかない。

さて、受験に失敗して入学する大学を選ぶという時に僕が重視したのは以下

大学の教授のレベルないし専攻内容
受験時に感じた”同級生になりうる人間”の雰囲気
留年率
学部学科名

なぜこれらを重視したのか述べていく。

大学の教授のレベルないし専攻内容

まず自分が受かった大学のその学科のホームページに行って、それらの教授の名前でggったりするとわかる。
四年間もあればある程度興味は移り変わるし、絶対に〇〇について研究するぞ!と息巻いていても勉強していく過程で失望して何について研究したり、勉強するかを変更する必要に駆られる場合もある。
そういった場合に、教授たちの専攻の範囲が広かったり、名前のある先生であれば指導を受けるにあたって有意義であるし、普段の授業自体も面白いのではないかと考えた。


これは符合していた。特に自分の場合は気になってググった先生のTwitterを見つけ、先生の研究内容や姿勢を見て面白そうな人だと思って入学した。
実際その先生の授業は面白かったし、実際に研究する学年になってその先生に見てもらえてよかったと思っている。先生自体が優秀だったので、先生の専攻とは若干ズレた内容で研究しても研究として形を成すように指導してもらえたしすぐに誤り等を指摘してもらえたので良かった。
指導教官になってもらえた先生以外も見ていた感じ面白かったのだが、これも符合しており、必修ながら割と面白い授業が多かった。

しかしながら、後に述べるように授業は学生のレベルに合わせて展開されるため、物足りないと感じる部分もあった。お客様扱いで、寄り添ってくれるのだが、もっと大学の授業は置いて行かれるものだと考えていた。
まぁただこれは第一志望に入れなかった自分の責任であろう。

受験時に感じた”同級生になりうる人間の”雰囲気

これはかなり大切であると思う。僕は陰キャオタクである。
先ほどまでの記事の内容で何となく察してくれた人もいるかもしれないが、僕は理系である。ゆえに、滅茶苦茶陽キャです!みたいな人間よりかは少し大人しめな人間のほうが多い落ち着いた人が大半を占める受験会場ばかりだった。しかし、同じ”落ち着いた人”でも会話にならないレベルの陰鬱な雰囲気の人たちとは積極的に友達になりたいかと言われるとおそらく疑問符だし、ある程度品のある騒ぎ方のできそうな陽キャたちが居ないとお話にならない。というか全員陰キャの空間は会話に至るまでに時間がかかったりするので程よい陰キャが必要なのである。
この点でも僕は大学の選択に成功したように思えた。
同じ学科の人間から実際にはどう思われていたかは分かったものではないが、ある程度友達がいて、ある程度全員と恙なく会話が成立していたので学校に通うことはあまり苦痛ではなかった。
特に、失敗している以上心を病みやすく、受験終了直後は意外と体も弱っているため一人では休学しかねない程の”詰み”が発生しかねない。ゆえに友達になりやすそうな人が多いかどうかというのは考えるべき要素である。
偏差値順で単純に大学を選んでいたらどうなっていたことかわかったものではない。

留年率

これは外部から調べられる限り調べつくした方がいいだろう。
特に理系は特定の科目が難しすぎたり、何らかの研究室の教授がハラスメントを起こしやすいみたいなことが割とある。気を付けよう。
ただし、外から見える情報が限りなく少ない大学というのもまぁそこそこあるので信用しすぎない方がいいかもしれない
参考までに、僕の大学の場合入学前は留年率高くないかと思ったら4年ストレートで卒業できた人間の人数は6割程度であった。
ちゃんと勉強していればストレート卒業はできるが、何かのきっかけでつまずくと、割と危ないのである。

学部学科名

あくまで学部と学科の名前にはこだわった方がいい。と思う。
名は体を成すとはよく言ったもので、学部や学科、専攻名に含まれる事項は割と勉強させられる。
どういうことかというと、
理工学部に入れば、理学だけではなく、工学も勉強させられる。
都市環境開発学部自然科学なんたら専攻というような名前なら、都市開発もある程度必修に含まれている可能性があるということである。
ここはパンフレットもよく読むとわかったりするのだが、勉強したくもないことが必修に含まれているのはめちゃくちゃストレスなのでできる限りやりたい学問の名前を冠した学科に所属した方がいいだろう。

逆に具体的に何がやりたいかわからないみたいな人は広い学科に入った方がいいかもしれない。あくまで推測だが。

就職を確実にする、という人であればどこの企業に受かる人間が多いかというのも見た方がいいだろう。ちなみに大学の就職率は様々な手段を用いて操作されていたり、コネが強力な企業に無理やり入れることでどうにか就職率を確保しているのでそこまで参照するべきものかと言われると疑問である。

僕は大学院に行く気だったのであまり気にしていなかった。

2.大学生活の過ごし方

大学に落ちて、とりあえず吟味して入ったにしろ「妥協して入った大学」
であることには変わりないので、一歩間違えればそれなりに精神を病む。
心身を回復しつつ、きっちり四年間で卒業して真人間として社会なり大学院に進むためにもある程度折り合いをつけられるように大学生活を過ごすべきだろう。ここでは僕の4年間を参照しながら僕の思う良い方針を示す。
僕が言ったことがすべてではないし、何を重視するかなんて言うのは人それぞれなので参考程度で読んでほしい。

ちなみに僕はアルバイト肯定派である。

自由に使えるお金と時間がある時期って多分大学生が最後だから。

第1学年

とりあえずいろいろなサークルに入ったり顔を出すことでコネを作るべきであろう。学科の人間と仲良くなるのは集団で授業をする、グループワークが多くある、実験がある等で協力作業をするようになって初めて成立する。

ここで妙なプライドやらで何にも属さない等するのは損である。学科や他のことで忙しければ抜ければ良いだけなので、とりあえず一定数の仲間を作ること。

まずはどこかで自分と同じ学科の人間をサークル内で探し出して学科ラインに入れてもらうことを目標にするといいだろう。
学科ラインにさえ入れればどうにか生きていける。提出物の期限を言ってくれる人が居たり、レポート問題で何が出たか聞けば答えてくれる人が居たり、必修の過去問が共有されている場合があるのでここに入れるかが今後の大学人生を左右するといって過言ではない。

と言ってもサンプル数が僕一人なので何とも言えない部分はあるが、学科に関しての横もしくは縦のつながりをどうにか初動で作っておこう。

それに、新歓の時期であれば新入生は神様扱いなのでほぼ無料で外食しまくることができる。僕は実家で母親が夕食を作ってくれていたので割と断っていたのだが、入学直後の新歓食事会はどこも気合が入っているので親には新歓で飯食ってくるかもしれないくらいのことを事前に伝えておくべきだ。

ただし、テニサーなどでは世で言う爛れたイメージの通り第一学年から飲みがあるサークルも多い。オタクサークルや、まじめな団体はクリーンさを前面に出すために新入生には絶対に飲ませないよ!みたいな謡い文句を入れている。こういうところは割と大丈夫である。
爛れた団体は5月あたりから本性を出し始めて、飲みに行かない?等のお誘いを掛けてくるのでその時点で切ってしまおう。その時点で切っても後から入れるサークルはいくらでもあるので気にしないでいい。

僕は実際、当初はテニサーに入っていたのだが、飲みに誘われたことで完全に切れ、非公認オタサー作っていた友達伝ってLINEに入り、その友人、学科の知り合いに誘われて5月ごろにサークルに入った。
文科系サークルはどのシーズンであっても途中から入りたいという学生を歓迎している場合が多いので、思い切ってコンタクトをとってみると良い。

ここまで人間関係の話しかしていないが、学問の話もしなければならない。

とりあえず第一学年では授業を休まないことを目標にしよう。
第一学年で息巻いて難しいことをして途中で息切れる場合もあるし、上の方の大学を目指していた人間は割と大学内容に片足を突っ込んでいるので、最初のほうの授業がつまらなくて休みがちになる場合がある。
これで講義を切る癖がつくと、全然講義に来ない人になってしまい、分野にぬけが出たり、そもそも必修を落としたり、する必要のない無駄な勉強を強いられる可能性があるのでちゃんと出ておこう。
ただ、本当に出たくないとき、体調が悪いときは普通に休んでいい。ここは高校ではないのでその辺の自己管理をしっかりしておけば問題ない。

あとこの時期に難しすぎる本を読んではいけない。

ランダウとかハーツホーンとか そういうのだ。

第2-3学年

ここまででもう4000文字を超えているようなので飛ばしていこう。

ここらへんで学問に興味が出てきたり、ある特定の分野を面白く感じるようになったり、サークルでそこそこ成果が出てきたり、新たなる趣味が出てきたり、恋人ができたりする。大学生としての青春を謳歌するシーズンである。故につまらぬことでつまずいてもしょうがないのできちんとやることはやる。その方がいいし、それだけでいい。ただし、ぼーっと過ごしてると見過ごしかねないイベントがあるのでそこだけ注意する。

 外部とのつながり

サークルを通してでも、学問を通してでも、何らかの形で自分の学校以外の人間とつながりを持っていた方が良い。リアルで会えずとも何らかの形で交流をはかる方がよいだろう。世界がかなりコンパクトに完結してしまうのでせっかく大学に来たのに人脈なりが広がらず、少し悲しい思いをすることになる。授業に潜ってみてほかの学科の人間と仲良くなるとか、そんなんでもよい。(僕は教職の授業を通して他学科の人間と割と仲良くなれて、就職組の彼からいろいろと話を聞いている)

就職か院進かを決めて準備を始める

言葉のとおりである。専攻や、興味が絞られてきたらどうするかきっちり考えておいた方がよい。専門だけ勉強していても入れない大学院は多いし、そもそも外部からは受け付けていなかったり、自分が見てもらいたい先生が大学院では生徒をとる予定がないなんてこともまぁそこそこあり得る話である。就職するにしても、3年生あたりからはもうインターンに向けて動いていなければならない。理系だとわりと見逃しやすく、文系でもなんやかんやでこの時期までインターンやっていなかったみたいな人間も多いが、ESの提出時期あたりになるともう大学の相談センターは人でごった返すので早め早めに攻略を考えた方が良い。 頭の片隅に入れておこう。

第四学年

研究して、進路を決定し、卒業する。これしかない。

卒業研究は、中間報告会等も含めてきちんと自分のラボのボスや指導教官、居るのであれば先輩等に積極的に相談しに行った方がよい。

僕は自分の教官から渡された論文の根拠が全然わからず、どうにかして理解しようと50本近く追加で読み漁り、なかなか教官のところに行けないという状況に陥った。
結果としては良い感じの落としどころを見つけて教授に卒業研究を提案してどうにか発表までもっていくことができたが、もっと積極的に相談しに行っていれば、より良い研究がもっと長い時間をもってできただろうと思う。

それくらい指導教官は利用するべきだし、指導教官があまりにやばい人でなければ基本的にきちんと面倒を見てくれるものなので相談はしっかり、しよう!

3.進路の決定

第四学年に合わせてこの話をする

この時期にスキルアップなどはできないのでほぼここまでの三年間の答え合わせに近い。就職組はこれから資格を取ることは厳しいし、単位が残っていれば面接を入れられる回数が減る。バイトも増やせないので資金繰りが厳しくなったりする。割とこれは深刻な問題である。
就職によって逆転を狙う組は、ある程度資格を取ることで補わなければならない(やっぱり学歴フィルターは存在する)ので、このことは考えておくべきである。

院進組は夏ごろを佳境としてそこまで研究と受験対策を並行して行う必要がある。これについては詳しく述べないが、英語の外部試験は直前でちょちょいとやっても大して成績は伸びないので三年最後あたりで成績をとっておこう。TOEICで言うと700点辺りで何となく安心感が出てくる。
800もあると多分アドバンテージになり、TOEFLで100とか持ってると英語に関しては東大も余裕をもって受けられるはずである。当日に受けるTOEFLはめちゃくちゃしんどい。

大学院も、レベルの高い大学である場合、授業のレベルが高いのでなんやかんや身についているレベルが高かったりするので外部を受ける場合でも、割と少しの勉強でどうにかなったりする。
ただ、レベルのあまり高くない大学の場合、単位を取らせるためにテストを簡単にする等で理解が深まらないままその単元の授業が終了していたり、そもそもほかの大学院で勉強したくても、内部生が強すぎて割り込めなかったりする。このことは念頭に置いて、逆転を狙ってめちゃくちゃ勉強するか、入れそうながら面白そうな研究室を探すかどちらか検討した方が良い。

ちなみに旧帝大でもすこし地方に行くと枠が余っていたりするので院進組はそれも検討しておこう。

僕は都内から諸事情で出ることができない上、研究する内容を急遽変更した&全然大学院がない分野だったのでさらなる専攻替えが余儀なくされ、大学院選びに苦労した。
そういう場合はオープンラボや研究室見学を渡り歩くことになって勉強時間がすり減るので精神衛生上よくない。春休みあたりできっちり決められているといいだろう。
ちなみに実際やってみれば面白く感じるだろうの精神で適当に聞こえの良さで大学院を二校選んだが、よくよく聞くと強い大学院のほうの研究は沼だったので、受かった方の大学院で良かったと思っている。この意味でも進学する大学院等についてもよく教授に相談してみると良いだろう。

4.よかった点,悪かった点

端的にまとめていきたい。

よかった点
偏差値や憧れで選んだ大学ではなく、さまざまな側面を鑑みて選んだ大学だったので、なんやかんや自分に合った大学を選べていた。

授業が難しすぎて卒業できない!という事態が起こらなかった。

程よく遊べて、程よく学べた。

高校生が想像している以上に私立大学は就職に強いしサポートが厚い

悪かった点

授業が遅い、学生がお客様なので丁寧すぎた

おっとりしすぎていて、社会に出るのが怖い

院進、特に外部についてはある程度のディスアドを背負うことになる。


以上。

もしかしたら僕はめちゃくちゃ運がよくて、たまたま良い大学四年間を過ごせただけかもしれないし、受験に負けたことから逃げるためにどうにか自己を肯定しているだけかもしれない。

しかし、この四年間が楽しかったという事実を否定したくはないし、僕と同じく大学受験に失敗して悲観している者がさっさとその悲しみから解かれて大学に居られる四年間を無駄にすることなく過ごしてほしいのだ。

諸兄の幸運を祈る。




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